こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。
かつて世界の銀の約8割を産出し、「銀の都(Silberstadt)」と呼ばれたオーストリア・シュヴァーツ(Schwaz)。
中世ヨーロッパ最大級の銀鉱山が栄え、ハプスブルク家の富の源となったこの街には、今も当時の坑道が残され、観光ツアーとして公開されています。
今回は、シュヴァーツを訪れる際の、銀鉱山ツアーの参加体験、街の見どころ、泊まってよかったホテル、夕食におすすめのレストランまで、旅行者に役立つ情報をまとめてご紹介します。
「銀の都」シュヴァーツとは?アクセスも簡単で旅しやすい町

シュヴァーツは、オーストリアのチロル州にあるイン川沿いの小さな町です。
インスブルックから電車で約30分、さらにミュンヘンからもアクセスが便利なため、ドイツからの日帰り旅行先としても人気があります。
- ミュンヘン → インスブルック:ECで約1時間50分〜2時間
- クーフシュタイン(Kufstein)→シュヴァーツ:RE/REXで約15〜20分
- インスブルック → シュヴァーツ:RE/REXで約30分
- シュヴァーツ駅 → 中心部:徒歩10〜15分
駅から市街地まで徒歩圏内で、観光の動線がとてもわかりやすいのが魅力。
銀鉱山(坑道)へは市内バスが出ており、初めて訪れる旅行者でも迷わず行けます。
シュヴァ―ツ伝説の始まり:1頭の牛が銀を見つけた?

シュヴァーツの銀鉱山には地元に語り継がれる有名な逸話があります。
ある日、1頭の水牛(牛)が暴れだし、山の岩に角をこすりつけたとき、黒っぽくて銀色に光る鉱石が露出した!
そのうわさが広がり、まもなく山師たちがやってきて歩き回り、鉱脈を探し当てました。
これが銀鉱山発見のきっかけになったと言われています。
この偶然の発見から採掘が始まり、やがてこの地域は世界の銀の約8割を生み出す巨大な鉱山都市へと成長。
ハプスブルク家の財政を支え、ヨーロッパ史にも影響を与えた、まさに「歴史を動かした町」といえます。
銀鉱山ツアーに参加:見どころ・料金・所要時間

シュヴァーツ観光のハイライトは、何と言っても銀鉱山(Silberbergwerk Schwaz)ツアーです。
鉱山鉄道に乗って地中800 mの坑道まで入ることができます。
ツアーに参加しない場合には銀鉱内を見学することはできません。
見どころは、500年前の鉱夫たちの過酷な労働の跡、歴史を見せる坑道、そしてかつて銀山を支えた巨大な木製水車など、まさに「中世のハイテク」を体感できる体験です。
見学時間は90分で、ガイドさんと一緒にトロッコ列車に乗って坑道内に入って行きます。
チケット売り場でチケットを購入して、ツアーが始まるまで待ちます。
ツアーの所要時間・内容

銀鉱山のツアーは、約90分のガイド付き見学。坑内のトロッコ列車(鉱山鉄道)に乗って、地中800メートルの坑道へ向かいます。
坑内は一年中 気温約12℃ とひんやりしており、外が暑くても涼しく、暑さ対策にもぴったりです。
オープン時間・ツアー頻度

- メインシーズン(5月〜9月):毎日 08:45 〜 17:00(最終ツアー開始)
- オフシーズン(10月〜4月):毎日 09:45 〜 16:00(最終ツアー開始)
ツアーはおよそ20〜60分ごとに出発とのこと。私たちはオフシーズンの11月始めだったので、頻度は少な目な印象でした。
混雑状況によっては予約 or 少し早めの到着がおすすめです。特にグループ(20名以上)の場合は事前予約を推奨。
ツアー料金(2025年時点)
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 大人 | 23ユーロ |
| シニア/学生/研修生 | 20ユーロ |
| 年少(15–18歳) | 19ユーロ |
| 子ども(5–14歳) | 15ユーロ |
| 幼児(0–4歳) | 無料 |
| 家族チケット(大人2名+子ども1名) | 50ユーロ(以降子ども1人あたり+€12) |
※グループ(20人以上)であれば、割引価格あり。
最新の情報は、公式サイト「Schwazer Silberbergwerk Besucherführung」をご確認ください。
ツアーに参加する際の注意点

長い間、銀を採掘するために掘られた巨大な坑道ですので、かなり深く地下へ潜っていきます。
初めての方でも安心して参加できるよう、以下の点を押さえておくと快適です。
- 坑道内の気温は12度に保たれています。必ず温かい服装で参加すること。夏でも羽織もの必須。
- 地中の通路は暗く湿っている場所もあるため、動きやすく、滑りにくい服装・靴で参加しましょう。
- ツアー前に必ずトイレに行くこと。
- 狭い場所に不安を感じる方や、極度な閉所恐怖症の方は参加を見送りましょう。
- 妊婦の方は安全上、参加できません。
- トロッコ列車での撮影は、安全確保のため公式にNGとされています。
- ツアーの言語は基本的にドイツ語のみ。(それもチロル訛りで聞き取りにくい)。スマホで聞ける日本語オーディオガイドを受付で依頼しましょう。音声ガイドは自分のスマホのアプリを使う必要があります。
- 坑道内では湧き水が滴ったり、足元が濡れることもあるのでタオルハンカチ、濡れても良い靴が便利。
- 大きな荷物は持ち込めません。
- 夏や祝日など、混雑シーズンはオンライン予約が無難。
はねうさぎはねうさ夫は閉所恐怖症なのですが、トロッコを降りたところでガイドさんが異変に気付き、ツアーをやめるかどうか確認していました。気分が乗らない方は無理をしないでください。
ツアーレポート:中世の坑道へ突入!トロッコ列車で暗い坑道へ

まず、外の駅からトロッコ列車で坑道奥へ一直線で降下していきます。
ここで結構、ワクワク感が高まります!
降下、と言っても下って行く感じは殆どないのですが、トロッコ列車のスピードは結構速いです。
そして、なんと片道6分間もトロッコ列車に乗ります。
はねうさぎ薄暗くて狭い(照明は所々ある)トンネルを、6分間トロッコ列車に乗り続けますので、苦手な方は恐怖心を払しょくするイメトレをお勧めします。
入った瞬間からひんやりとした空気に包まれ、狭いトンネルの中をぐんぐん駆け抜けていきます。
所々で地下水が出ているのを確認できます。たまに自分にもしずくがかかってきます。
ヘルメットとジャケット(着用必須)を着ると、まるで本物の鉱夫になったような気分を味わえます。
トロッコ列車の停車場所についたら、ガイドさんに従って横穴のようになっている狭いトンネルを歩いて行きます。
日本人の自分にはそこまで狭いと感じませんでしたが、背の高い人は頭がぶつかりますので注意が必要です。
当時の採掘の様子を学べる展示

ツアー中はガイドさんが、中世の採掘方法や鉱夫たちの過酷な労働、生活について詳しく説明してくれます。
展示には、人形と共に再現された採掘シーンや当時の道具も並び、臨場感たっぷりです。

当時の道具を使って1日にどのくらい掘り進めることができるのか?ということやこの土地の土壌の固さゆえの作業の難航具合など、当時の状況をせつめいしていただきました。
また、銀はもちろんですが、銅などの他の希少鉱石についても展示・説明があり、とても興味深かったです。
ガイドさんと日本語オーディオガイドで知った「ドルの語源=ターラー」の話

銀鉱山ツアーの中で、ガイドさんがとても興味深い話をしてくれました。
さらに日本語のオーディオガイドでも同じ説明があり、思わず「なるほど!」と納得した内容です。
それは、アメリカなどで使われている通貨「ドル(Dollar)」の語源が、ドイツ語の「ターラー(Taler)」であるというもの。
はねうさぎターラー(Thaler)とは、
16〜18世紀のヨーロッパで最も広く使われた高純度の銀貨。
信用性が高く、国境を越えて流通したため、当時の「事実上の国際通貨」でした。
16世紀、中央ヨーロッパでは「ヨアヒムスターラー(Joachimsthaler)」という銀貨が大量に鋳造され、略して「ターラー」と呼ばれていました。
これがオランダ語の Daler、英語の Dollar へと姿を変え、現代まで受け継がれているという歴史です。
当時ヨーロッパの銀の中心地だったシュヴァーツの銀も、このターラー銀貨の流通に関わっていた可能性があるとのことで、チロルの小さな町の歴史が、世界の通貨にまでつながっていると思うと、とてもロマンのある話でした。
圧巻!巨大な木製水車は「中世のハイテク」

最大の見どころが、坑道内に再現された巨大な木製の水車(Wasserrad)。
掘り進めていくと問題になったのが湧いてくる地下水の排出だったとのこと。
毎日600人の工夫が交代制で水の排出作業に当たっていたと言うくらい、染み出てくる地下水を排水する事が重要でした。
はねうさぎ地底1000メートル近くまで掘り下げていたので、地下水の問題は納得と言えば納得ですが…。
その中で、木製水車が登場。
「水は水を持ち上げる」という概念で設計された両方向に回転する水車でした。
地下水をくみ上げ、深部まで動力を届けるための「水力エンジン」のようなもので、当時は最先端の技術でした。
静かな坑道に響く「ゴウン…ゴウン…」という音は、今も現役で動いているような迫力があります。
とは言え、あのように狭い坑道と危険な場所に巨大な木材や部品を運び、地下内で組み立てたと思うと、すさまじく過酷な労働条件であったと予測できます。

水車の説明はもとより、鉱山の歴史や社会背景、当時の生活など、学びが多く「ただの観光」ではない深さがあって良かったです。
泊まってよかったホテル:Stay.Inn Comfort Art Hotel Schwaz

今回の旅の拠点に選んだのは、Stay.Inn Comfort Art Hotel Schwaz(ステイイン コンフォート アート ホテル シュヴァーツ)。
- 駅から徒歩圏でアクセス抜群
- 駐車場も完備(私たちは車でアクセス)
- 街の中心部にも近く観光・ショッピングがスムーズ
- 清潔・モダン・静かで快適
- サウナ完備
- アート要素がほどよく散りばめられた館内
- フレンドリーで親切なスタッフさんたち
私たちは2泊しましたが、シュヴァ―ツ滞在にぴったりの使いやすいホテルで、「初めてのシュヴァーツ」で失敗したくない人に特におすすめです。
はねうさぎ朝食も美味しかったし、バスや電車でインスブルックまでも気軽に行けました♪
夕食におすすめのレストラン!Gasthof zur Krippe Tippeler

旅行したら、やはりその土地の伝統的なレストランへ行きたいですよね。
シュヴァーツで特に良かったレストランが、Gasthof zur Krippe Tippeler(ガストホフ・ツア・クリッペ・ティッペラー)です。
とても古い歴史ある建物を、最近リノベーションしたようで、チロルらしい古い梁や壁の味わい・内装が絶妙な雰囲気抜群のレストランです。
実は、Gasthof zur Krippe(Tippeler)は、1657年に記録が残るシュヴァーツ最古級の宿屋建築。
ナポレオン戦争期の 1809年の大火で町の大半が焼失する中、奇跡的に焼け残った建物の一つだとメニューに説明が書かれていました。当時は馬や旅人を受け入れる公的な宿として機能していました。
現在もその歴史的外観を保ち、伝統料理を楽しめる名店として親しまれています。
料理は、ジビエを含むチロルの伝統料理が中心ですが、アジア料理や多国籍な食材を組み合わせたモダンな一皿もあり、美味しかったです。
はねうさぎ夫は、ウィーン風のシュニッツェル、私は白身魚のグリルを注文しました。ワインの種類も豊富で良かったです♪
観光客だけでなく地元の人も訪れる人気店で、落ち着いてゆっくり夕食を楽しめます。
食事の前後に使えるオシャレなワインバー:Erbario Schwaz | Cocktail Wine Bar

Gasthof zur Krippe Tippeler(ガストホフ・ツア・クリッペ・ティッペラー)からほど近い場所にあるバー。
夏にはテラス席もあり、美味しいカクテルやワインが頂けます。
はねうさぎ軽食もあります♪
店員さんはフレンドリーでプロフェッショナル。
一人でフラット入るにも、友人同士やグループで語るにも、色々な席が用意されているのでおススメ。
正直言って、こんな小さな街にこんな雰囲気の良いバーがあるとは思わなかったので、いい意味で驚きました。
シュヴァーツは「歴史×自然×アクセス良し」で旅しやすい穴場の町

小さな町ながら、世界史級の鉱山遺産を体験でき、歩きやすく、ミュンヘンやインスブルックからも簡単にアクセスできるシュヴァーツ。
- 中世の銀鉱山ツアー&巨大水車が動く迫力の展示
- 駅近で便利なホテル
- 雰囲気の良いレストラン
- のんびり散策できる可愛い街並み
- 必要な物が揃ったショッピングセンターでお買い物
これらが揃った、旅しやすい穴場スポットとして、おすすめできる場所です。
ぜひ実際にシュヴァ―ツに行ってみて、人の温かさと銀鉱山で発展した歴史ある街を探索してみてください。


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