こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
東ヨーロッパの小国モルドバには、世界でも珍しい地下迷宮のようなワイナリー「クリコヴァ(CRICOVA)」があります。
ワイン好きなら一度は訪れてみたいこの場所では、全長120kmに及ぶ地下トンネルに数百万本のワインが眠り、ガイド付きツアーでその歴史と魅力をたっぷり堪能できます。
別記事で「なぜモルドバ旅行?」の理由の一つにモルドバワインを堪能し、ワイナリー訪問することがありました。

今回は、私が5月初旬に訪れた際の体験をもとに、アクセス方法やツアーの様子、楽しみ方を詳しくご紹介します。
クリコヴァ(CRICOVA)とは?モルドバが誇る巨大地下ワイナリー

クリコヴァはモルドバ最大級のワイナリーのひとつで、国営として管理されている重要な観光施設です。
全長約120kmにもおよぶ地下トンネルに数百万本のワインが保存されており、その独自の温度・湿度管理が品質を支えています。
ツアーの際には、この地下トンネルをぐんぐんとカートで進んで行くので迫力満点!
地下通路には通りの名前と標識までついていて、「地下都市」と言われる理由がわかりました。
ワイナリーでは、プーチン大統領やメルケル元首相など、世界の要人の名前が記されたワイン保管棚も見どころのひとつです。
クリコヴァ・ワイナリーの歴史:石灰岩の採石場からワインの王国へ

モルドバの首都キシナウから北へ約15kmに位置するクリコヴァは、1952年に旧石灰岩採石場の地下ギャラリーを利用して設立されました。
この地下都市は、全長約120km、深さ60〜100mに及び、年間を通じて12〜14℃の一定した温度と97〜98%の湿度を保つことで、ワインの熟成に最適な環境を保っています。

クリコヴァは、モルドバで初めてフランスの伝統的な「メトード・シャンプノワーズ」によるクラシックなスパークリングワインの生産を開始したワイナリーであり、現在では年間約120万本のスパークリングワインを生産しています。

スパークリングワインに定評があると聞いていたけど、本当においしかった❤
また、クリコヴァの地下セラーには、1902年のヴィンテージワインを含む約125万本のワインが保存されており、その中には第二次世界大戦中に押収されたヘルマン・ゲーリングのワインコレクションの一部も含まれています。
クリコヴァは、モルドバの国家的文化遺産として認定されており、地下には試飲室、映画館、礼拝堂などが設けられ、観光客にとっても魅力的なスポットとなっています。
キシナウからのアクセス方法

首都キシナウからクリコヴァまでは車で約30分。
私はキシナウ市内で配車アプリ「Yandex」を利用した際に、ドライバーさんから1日観光として複数スポットをまわるプライベートツアーを100ユーロで提案されたのでOKし、その観光ルートのひとつにクリコヴァワイナリーの訪問を入れ込みました。
公共交通でもアクセス可能ですが、時間に限りがある方やバス利用に不安がある方、ワイナリーでの試飲を楽しみたい方は、ホテル近くからダイレクトで行ける車移動がおすすめです。

ツアー参加の流れと柔軟な対応に感動

この日は別の観光地を訪れた後、事前予約なしで15時半過ぎに立ち寄りました。
英語ガイドの回は18時開始とのことで、試飲付きだと約2時間かかると説明されました。
その日は、キシナウ市内のレストランに夕食の予約を入れており、そこまで待てない旨を伝えると、カウンターの方がとても親切で、すでに始まっていた16時のフランス語ツアーに途中参加させてくれることになりました。
わざわざ別カートを用意してくれ、「ここで少し待っていてください」と対応してくださったのがとても印象的でした。
ツアー体験記:ワインの迷宮で過ごす驚きの非日常

ツアーは電動トロッコのようなカートで地下セラーへ移動するスタイル。
とにかく広い!
それもそのはず。地下セラーの広さはなんと約53ヘクタール。
これは東京ドーム約11個分にも相当するスケールで、トロッコで移動するのも納得の広さです。
ツアーの後れを取っているので、ドライバーさんがどんどんハイスピードで地下街を走り抜けていきます。

迷路のような通路に無数のワインが眠る様子は、まさに「地下のワイン王国」と呼ぶにふさわしい場所でした。
私たちは途中参加だったため、樽の貯蔵庫など最初のエリアは見逃しましたが、シャンパーニュ製法やボトルキャッピングの工程など、クリコヴァが誇るスパークリングワインの製造工程をしっかり見学できました。
フランス語だったけど、ワインの製法に関しては大体理解しているので、大まかに理解できた!

その後、クリコヴァ・シアターという小さな上映室でロゼのスパークリングワイン(セミドライ)をいただきながら、クリコヴァの歴史映像を鑑賞しました。
ビデオは、ルーマニア語音声の字幕はフランス語でしたが、雰囲気は十分に伝わり、楽しめました。

そして、個人的にこのツアーで最も印象的だったのは、ワイナリー内部にあるチャペル(礼拝堂)です。
天井には美しいステンドグラスが施され、神聖な空間に思わず見入ってしまいました。
何故チャペルがあるのか謎ではありますが(洞窟都市だったから?)、結婚式などのイベントにも使われるのかもしれません。

さらに、各国の要人の写真が飾られたギャラリーを抜け、ビンテージワインのセラーへ。

世界中のVIPがここでワインを飲んだと想像すると、なんだか不思議な気持ちになります。
日本人としてはお一人だけJAICAの理事長さん(当時?)の写真を見つける事が出来ました。

クリコヴァ(CRICOVA)ワイナリーの中には、ビンテージワインコレクションもあります。
特に貴重な歴史的ワインや、戦時中のワインなど、100年を超えるワインのコレクションが展示されています。

モルドバの貴重な銘柄が並ぶ空間は圧巻で、とても楽しめました(写真で見たあれだ!と言う空間)。
ちなみに、個人的にひとつだけ納得いかなかったのは、世界地図を模した壁に飾られたアート。
旗が立っているのはどうやら、その国でCRICOVAの代理店や販売店があることを意味しているようなのですが。
日本が….なんだか違くないですか??

テイスティング体験とお気に入りの一本

ツアーの最後には、広々とした個室でのワインテイスティング。
まずは白のスパークリングから始まり、白ワイン、ロゼワイン、赤ワイン、そして最後にロゼのスパークリングで締めくくりです。
私はこの最後のロゼ・スパークリングが特に気に入りました。

この銘柄はキシナウ市内のスーパーマーケットでも見かけましたが、今回の旅はLCC利用、かつブカレストへの移動も控えていたため、購入は断念しました。
価格はおよそ5ユーロでした(2025年レート)
CRICOVAのお土産とホテルでの余韻

ワイナリー見学、ワインテイスティングの後にはやっぱりギフトショップをチェックしたいですよね。
CRICOVAワインだけでなく、ワインに関わるグッズも販売されていました。

ギフトショップでは、モルドバ原産のぶどう品種を使ったワインを含む6本セットのミニボトルを購入。
こちらは、1本が100ml超えているので機内持ち込みは不可能です(だから搭乗前に飲むしかないw)
価格もリーズナブルで、ホテルに戻ってから夫と一緒にゆっくり味わいました。
ワイナリー訪問の注意点:予約の重要性と柔軟な旅の楽しみ方

クリコヴァの見学ツアーは、オンラインでの事前予約も可能です。
私のように当日立ち寄ることもできますが、希望の言語や時間帯がある場合は予約を強くおすすめします。
英語、ロシア語、ルーマニア語、イタリア語のツアーが基本的に用意されており、事前予約であればフランス語、ドイツ語、スペイン語など他のヨーロッパ言語にも対応できるとのことでした。
「日本人のグループが来たら日本語対応してもらえるのですか?」と聞いてみたところ、残念ながら日本語ツアーは対応が難しく、基本的には英語になるとのことです。
また、ワイナリーは地下空間に長く滞在するので、長袖の羽織るものがあると良いと思います!
まとめ:モルドバを訪れるなら外せないワイン体験

クリコヴァは、観光地が限られるモルドバにおいて非常に価値ある体験を提供してくれる場所でした。
計画的に訪れるのも良いですが、私のように少し予定をゆるく構えても、現地の方の親切さに助けられながら十分に楽しめます。
ワインに興味がある方はもちろん、歴史や文化、建築が好きな方にもおすすめのスポットです✨

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