キシナウから日帰り旅行!謎の未承認国家「沿ドニエストル共和国(Transnistria)」体験レポート&街歩きガイド

未承認国家沿ドニエストル共和国Transnistria

こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

モルドバの首都キシナウから、東南へ約60km、ドニエストル川を越えた先にある「沿ドニエストル共和国(英語でTransnistria)」。

国際的には未承認の「事実上の独立国家」でありながら、そこにはソ連時代そのままの街並みとプチロシアの世界が広がっています。

日本ではあまり知られていませんが、一部の旅行者の間では「ソ連のタイムカプセル」とも呼ばれ、独特の雰囲気が魅力のディープスポット。

今回はそんな沿ドニエストルへ、キシナウから日帰りで訪れた体験をレポートします。

沿ドニエストル共和国(Transnistria)は、国際的にはモルドバの一部とされる未承認国家であり、独自の出入国管理や通貨制度を持っています。
現地でトラブルが発生した場合、日本の外交機関による支援は受けられない可能性があります。
訪問はすべて自己責任で行ってください。私が訪れた際は問題なく往復できましたが、政治・軍事的状況は変化する可能性があるため、最新情報を必ずご確認ください。

このブログでは、自己責任・判断のもと、今後の訪問する方の参考になればと思い、2025年5月の旅行記を公開します。

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目次

キシナウから沿ドニエストルへ:移動手段と国境越えの流れ

Yandexのタクシーとモルドバの国旗をペイントしたキシナウのビル
ロシア語・ルーマニア語ができないと少し不便なモルドバ旅行には配車アプリが役に立つ! ©haneusagi.com

今回の移動は、前日にYandexアプリを使って手配したドライバーさんに依頼しました。

以下のYandexに関する記事をご参照ください。運よく?オマーンで電話番号設定してもらったものがそのまま使えていてラッキー!?ただし、モルドバ旅行では、ホテルの方からモルドバ番号で設定しなおしてもらいました。

実は前日にワイナリー「Cricova」などを回ってもらった方で、運転が丁寧で対応も紳士的だったため、直接交渉して翌日の送迎もお願いすることに。

朝、キシナウのホテル前まで時間通りに迎えに来てくれ、沿ドニエストルへの移動開始!

出発前日に「”国境”を越えられるか?」と確認してOKをもらっていたのですが、ドライバーさんはタクシー会社の公式証明書とパスポートをしっかり持参してくれていたので安心感がありました。

はねうさぎ

当日、タクシーに乗り込んだ際にも「パスポート持ってるよね?」と再確認されました。

”出入国”の流れと手続き

沿ドニエストル共和国の「国境」検問所
沿ドニエストル共和国の「国境」検問所 ©haneusagi.com

入域時には検問所でパスポートチェックと滞在登録(無料)を行います。

国境を越え、モルドバ側の検問所で、ドライバーさんから手続きのため車から降りるように言われました。

検問所では、ドライバーさんがロシア語話者だったので説明し、パスポートもまとめてチェックしてくれたので、問題なく通過。

ただし、私たちはティラスポリの後にティギナ要塞へ立ち寄り、その後はMIMIワイナリーに宿泊する予定だったので、車内をチェックされて「そのバックパックは何なんだ?」との質問を受けました。

ドライバーさんが全て通訳・対応してくれたので全く問題なかったです。

※MIMIワイナリーの宿泊体験に関しては以下の記事を読んでみてくださいね♪

ちょうど検問所でバスも停車しました。キシナウから公共交通機関で移動してくるツワモノ旅行者も一定数います。

車のナンバープレートが沿ドニエストル共和国のバスはキシナウへ戻る
車のナンバープレートが沿ドニエストル共和国のバスはキシナウへ戻る ©haneusagi.com
沿ドニエストル共和国には独自の路線バスが運行されている
沿ドニエストル共和国には独自の路線バスも頻繁に走っているが旅行者には少しハードルが高い ©haneusagi.com

また、入国時にパスポートにスタンプは押されず、「入国カード」と呼ばれる紙切れが渡されます。

滞在先の住所と滞在期間を申告し、その期間(最大45日)で入国カードが発行されます。

この紙は、戻る際の”出国”にも必要になるので失くさないように注意が必要です。

はねうさぎ

帰りも特に車から降りることなく検問所を通過時点でドライバーさんが何か話して終わりでした。紙はドライバーさんがずっと保管してくれていました。

国境での入国審査はスムーズでしたが、隣の窓口に並んでいたイギリス人男性が「ティラスポリに宿泊する」と申告した際には、Airbnbの住所や予約確認書をしつこく求められていたのが印象的でした。

やはり日帰り訪問の方がトラブルを避けやすい印象です。

沿ドニエストルってどんな場所?未承認国家の基本情報

ティギナ要塞の敷地内にあるロシア正教会
ティギナ要塞の敷地内にあるロシア正教会 ©haneusagi.com

モルドバの東側、ウクライナとの国境地帯に細長く存在する「沿ドニエストル(Transnistria)」は、1990年にモルドバからの分離独立を一方的に宣言した地域です。

はねうさぎ

つまり、モルドバ共和国の中に存在しながら、現在も独自の政府、通貨、国境管理を持ちながら、国際的にはいかなる国からも国家承認されていない未承認国家です。

キシナウからティラスポリまでの地図
キシナウからティラスポリまでは車で約1時間半 ©haneusagi

歴史的にみると、この周辺地域はかなり事業が複雑なのです。

1812年:ロシア帝国がオスマン帝国から現在のモルドバ東部(ベッサラビア)を獲得し、支配下に置かれる。これが後のモルドバの領土の一部となる。ロシア帝国時代(19世紀初頭〜)

1924年:モルダビア自治ソビエト社会主義共和国(モルダビアASSR)としてソ連に編入(ウクライナSSR内の自治領)。ウクライナ・ソビエト共和国の一部で、モルドバに対する影響力を強める狙いがあったと言われる。

1940年:ソ連はルーマニアからベッサラビアを併合し、MASSRの一部と統合して「モルダヴィア・ソビエト社会主義共和国(モルドバSSR)」を設立。これが現在のモルドバの原型。

1990年:沿ドニエストルがさらなる自治を要求し、キシナウ政府と政治的対立。

1991年:ソ連崩壊とともに、モルドバ共和国として独立。

1990年〜沿ドニエストル地域の分離宣言と実効支配。モルドバのルーマニア志向や言語政策に反発したロシア系住民が、ドニエストル川東岸で「沿ドニエストル共和国(PMR)」の独立を一方的に宣言。

1991~1992年:モルドバ政府と沿ドニエストルの戦争。沿ドニエストルはロシアの支援を受け現在もロシア軍が平和維持部隊として駐留。

2011年:モルドバと沿ドニエストルの関係改善(商業・文化・政治的関係が改善されるも法的には未解決)

政治的には非常に複雑な地域である一方、観光目的での短期入域は可能とされています。

トランスニストリアの美しいロシア正教の教会と青空
美しいロシア正教の教会と青空 ©haneusagi.com

公用語はロシア語が中心で、モルドバ語(キリル文字表記)やウクライナ語も使用されています。

「国ではない国」に一歩足を踏み入れると、ソ連時代の建築や記念碑、通貨、レーニン像など、「ウェストサイド」では味わえない独特の空気感が味わえます。

沿ドニエストル(トランスニストリア)の基本情報(2025年時点)

未承認国・沿ドニエストル共和国の地図
赤線の内側が未承認国「沿ドニエストル共和国」 
  • 正式名称:沿ドニエストル・モルドバ共和国(Pridnestrovian Moldavian Republic)
    ※いかなる国からも国家承認されていない未承認国家
  • 首都:ティラスポリ(Tiraspol)
  • 面積:およそ4,163 km²(モルドバ全体の約12%)
  • 人口:約46万人(※公式統計は不明瞭)
  • 主な言語:ロシア語(事実上の公用語)、モルドバ語(キリル文字)、ウクライナ語
    ※書類・看板は主にロシア語表記
  • 通貨:沿ドニエストル・ルーブル(PRB)
    ※現地のみで使用され、国際的には無効
  • 宗教:ロシア正教会が主流
  • 主要産業
    • 重工業(製鉄、機械製造など)
    • 繊維・衣料品製造
    • 発電(ドニエストル川を利用した水力・火力)
    • ワイン・ブランデー製造(例:KVINT社)
  • 経済的背景
    • ソ連時代に工業地帯として整備された経緯があり、モルドバ本土よりも産業基盤が強固
    • モルドバ本土が農業中心(特にブドウ栽培や農産物)なのに対し、沿ドニエストルは経済的自立性が高く、分離独立の要因にも
  • 生活水準
    • 一般的にモルドバよりもインフラが整っており、貧困の度合いは低いとされる
    • ただし国際的孤立・未承認ゆえに輸出入や通貨取引は非公式またはロシア頼み
  • 入域管理
    • モルドバからの陸路入域はパスポート提示・滞在登録(紙の滞在証)が必要
    • 観光目的の日帰り入域は比較的スムーズだが、宿泊の場合は住所・書類提示が厳格

気になる安全面は?旅行者にとっての「現実」

Transnistriaのキリル文字のチラスポリTiraspolのサイン
モルドバではアルファベットが主流だが、沿ドニエストルに入ると全キリル文字になる。チラスポリのサイン ©haneusagi.com

安全面に関して、単刀直入に言えば、安全です。

ただし、長期滞在者に関して英語サイトでは以下のような記載を見つけました。

『ティラスポリの夜道を1人で歩くことも概ね問題ありませんが、明るい通りを選び、人気のない場所を避けるのが無難です。いわゆる「酒に酔った乱暴者」のような「東欧の野蛮人」的ステレオタイプは、実際にはあまり出くわしません。ただし、空いたウォッカ瓶を手にした若者グループがいたら、用心してください』

はねうさぎ

まあ、わざわざこの何もない地域に長期滞在する人はいないと思いますが念のため….

そして、私がなぜこの日承認国家へ行ってみたいと思ったかと言うと、いくつか理由があります。

沿ドニエストルは、英語でトランスニストリア(Transnistria)と呼ばれており、モルドバ旅行を計画してツアーや観光スポットなどを調べていると必ずたどり着く「キシナウから日帰りで行ける観光スポット」となっています。

世界情勢を考慮して、はねうさ夫はあまり乗り気では無かった様子なのですが、まず、Tripadviser(トリプアドバイザー)などで普通にキシナウ発のグループエクスカージョンとして観光ルートに組み込まれていたのを発見し、実はそんなに危なくないんじゃ?というカンが閃いたことに始まります。

はねうさぎ

ロシア軍が街に武器を持ってパトロールしている勝手なイメージを持っていました….(私は間違っていた)

そして、モルドバに到着してから、クルチ修道院を観光していた時に偶然お話しした女性がティラスポリ出身で、昨年日本人を案内し、家族や友人を紹介したという話を聞き、現在の街の様子や治安、気軽に行けるのか質問したら「とても美しい場所で○○も○○も○○も素晴らしいからぜひ行って欲しいわ~!」と言われて決心しました。

沿ドニエストル=危険、というイメージを持っていた方も多いかもしれませんが、私が街歩きをした限りでは、過度な緊張感はありませんでした。

はねうさぎ

ただし、想像できると思うけど観光するような○○や○○や○○は….そこまでダイナミックではないので、期待しすぎない事が重要(笑)

チラスポリ市内のメイン通りに建つ銅像
チラスポリ市内のメイン通りに建つ銅像 ©haneusagi.com

とは言え、私たちがちょうど行った時がロシアの戦勝記念日である5月8日の数日前だったので、パレードの準備のために公園や広場の周囲で作業を行っており、立ち入り禁止区域があったようで覆面セキュリティ(警察?!)の方々が若干怖かったです。

覆面警官?や覆面軍関係者?らしき人物を見かける場面もありますが、こちらが観光客であることを明確にし、写真撮影の際にその都度事前確認するなどしたので、特にトラブルはありませんでした。

はねうさぎ

10年ほど前に、はねうさ夫が言った時には、レーニン像や政府の建物の写真撮影は禁止だったようで、写真撮影をしていたらめちゃくちゃ怒られたようです。

チラスポリの街中
ソ連への哀愁が満載な沿ドニエストル共和国の国章デザイン。 ©haneusagi.com

ただし、英語はほぼ通じません。

「写真撮っても良いですか?」というロシア語だけ旅行前に練習していきました(笑)

警察の方は硬くて険しい表情。観光客にも容赦ない笑顔のない対応はシビレマス(お店の方などは結構フレンドリーでした)。

現地の人との会話には通訳アプリが非常に重宝しました。

はねうさぎ

はねうさ夫は、私が写真を撮影するたびに逮捕されるんじゃないかとハラハラしていた雰囲気でした…

また、インターネット接続もやや不安定な時もあったので、事前にオフライン対応の地図や翻訳アプリを用意しておくと安心です。

はねうさぎ

基本的にはキシナウで買ったSIMで大丈夫でした。

観光スポット&街歩き:Back in the USSR?! ティラスポリ中心部の様子

チラスポリの大通り
5月8日の戦勝記念日のパレードの準備をする様子のチラスポリの大通り ©haneusagi.com

ティラスポリは沿ドニエストルの“首都”にあたる都市で、市内中心部には旧ソ連時代を感じさせる建物や記念碑が数多く残っています。

チラスポリのメイン通りにある映画館
チラスポリのメイン通りにある映画館。ザ・ソ連臭がプンプンするスタイル。 ©haneusagi.com

特にこれと言った大規模な観光スポットは無いのですが、特に印象的だったのは以下のスポットです:

レーニン像と議会前広場

まさに「旧ソ連らしさ」を象徴する場所で、現在も堂々とレーニン像が中央に立っています。

チラスポリの議会前広場とレーニン像
チラスポリを検索すると真っ先に出てくるこの画像!はこの議会前広場。誰も歩いていなかった… ©haneusagi.com
チラスポリの横向きレーニン像
横向きレーニン像と圧巻のソビエト建築 ©haneusagi.com

戦車のモニュメント

第2次世界大戦や独立紛争を記念する戦車の展示があります。

記念日前で敷地には入れず遠目で観光・写真撮影しました。

チラスポリの洗車モニュメント
モニュメントの近くで撮りたかったけどセキュリティの方に厳しくダメと言われ遠目から写真撮影(OKいただいた) ©haneusagi.com
遠目からの洗車&レーニン像&議事堂の建物。ソ連建築
遠目からの洗車&レーニン像&議事堂の建物。ザ!ソ連スタイルの建築群 ©haneusagi.com

デ・ウォラント・パーク&ドニエストル川沿の遊歩道

日中は地元の人が散歩していたり、平和な日常の風景が広がっていました。

公園をもっとゆっくりぶらぶらしたかったのですが、夫が怖がって?せかすので、パパっと写真を撮って立ち去りました。

この25オクトンブリエ通り(Strada 25 Octombrie)には、噴水公園やカフェ、レストランが点在しており、少し長めに滞在したい場合には食事をしてみても良いかもしれません。(その場合には両替を忘れずに!)

観光スポット:ティギナ要塞

この要塞は、ティラスポリではなく、ベンドル(Bender)と呼ばれる街に位置していいます。

ティラスポリよりも川を挟んでキシナウ方面に位置しているので、ここも沿ドニエストルの領域とは全く知らずに観光しました。

ハッキリわからないのですが、Benderはかつてはモルドバの都市とされていたようですが、現在ではドニエストルが実効支配している地域の様です。

Я ❤ БЕНДЕРЫ(I love Bender)の文字 
Я ❤ БЕНДЕРЫ(I love Bender)の文字 ©haneusagi.com

ですので、感覚的にですが、ドニエストル川より西沿岸になるとモルドバの通貨も使えたり英語話者が居たりとドニエストル色が弱まる?!気もしないでもないような…入場料もどちらの通貨でも支払い可能でした。

また、要塞の他にも「武器博物館」があり、それ系が大好物なはねうさ夫が展示を見たいと言うので入場料を払って見学しました。写真撮影も全てOK。

沿ドニエストルにあるティギナ要塞の敷地内にある武器博物館
沿ドニエストルにあるティギナ要塞の敷地内にある武器博物館 ©haneusagi.com

また、敷地内には、要塞の他に遊園地風なものや、美しい教会などもあり、週末には家族連れなどで賑わうとの事でした。

美しい正教会も ©haneusagi.com
ティギナ要塞のロシア正教会の中の様子
正教会の中も美しい ©haneusagi.com

かなり資金を投下して要塞や敷地内をフルリノベした様子がうかがえ、とてもきれいに手入れされていました。

お土産におすすめ?KVINTコニャックとチラスポリ市内の買い物事情

Tiraspol市内のクラシカルなインテリアの「KVINT」ショップ
クラシカルなインテリアの「KVINT」ショップ ©haneusagi.com

ドライバーさんに教えてもらった、沿ドニエストル名物の一つが「KVINT(クヴィント)」という地元のコニャックだそう。

工場見学は事前予約が必要とのことで叶いませんでしたが、直営のショップには立ち寄ることができました。

KVINT(クヴィント)は、沿ドニエストル地域ティラスポリに本拠を置く、1897年創業の老舗ブランデーメーカーです。

上質なブランデーやワインを生産し、国際的な品評会でも高評価を得ています。

TiraspolのKvintのオフィス建物
オフィスも立派!中もとても清潔ですっきりしていました。 ©haneusagi.com

ティラスポリ中心部には観光客向けの直営ショップがあり、日帰りでも立ち寄り可能。

チラスポリ市内のKVINTの店舗の外観と青空
KVINTの店舗はチラスポリ市内に何件かあります ©haneusagi.com

KVINT社は、沿ドニエストル経済の要で、沿ドニエストルでは、ドニエストル・ルーブル紙幣に描かれるほど象徴的な存在です。

工場見学は難易度高めですが(そちらに入って行こうとしたら中には入れないと言われた)、ショップ訪問だけでも十分楽しめます。

店内にはお土産向けの小瓶もあり、地元のカップルがウオッカをペットボトルで測り買いにきていました。

ブランデーで有名なKVINTショップ
クラシカルな店内のインテリアだけど量り売りもしている ©haneusagi.com

英語はここでも通じませんでしたが、お店の方は少しだけ英語ができ、意外とフレンドリーでした。

はねうさぎ

もしかしたら観光客も多少来るのかも

KVINTの超高級ブランデー?コニャック?
高価なお酒も販売?展示してありました。 ©haneusagi.com

そもそも論で、沿ドニエストルで買い物をするとは夢にも思っていなかったので、両替も20ユーロを両替しただけ。

お水を買ったお釣りしかなかった事と、LCC利用で手荷物だけで旅行していたので、高級ボトルの買い物はせず、ミニボトルの詰め合わせを購入しました。

はねうさぎ

パッケージには、「Product of Moldova」の文字で複雑さに苦笑い…。さらにドイツに戻ってロシアスーパーに買い物に行ったら、普通にKVINT製品が売ってました(笑)

両替と買い物事情:独自通貨「沿ドニエストル・ルーブル」はどこで手に入る?

沿ドニエストル共和国では、独自の通貨が使用されているため、現地のお金に両替する必要があります。

流通しているのは「沿ドニエストル・ルーブル(PRB)」で、他国では一切使えません。

はねうさぎ

ちなみに、ロシアの通貨はロシア・ルーブルなのですが、さりげなくロシア感をアピール。なのにロシアにさえ独立国として認められてないと言う微妙さ…

自称独立国なので他国発行のクレジットカードが使えるかどうかもわからないし、観光だけであれば、必要最低限だけ両替するのが良さそうです。

沿ドニエストル・ルーブル(PRB)について

Billioneirお店の名前
ティラスポリ市内のユニークな名前のお店 ©haneusagi.com

沿ドニエストル・ルーブルは、沿ドニエストル共和国が独自に発行する非公式通貨です。

ロシア・ルーブルとは異なり、国際的には承認されておらず、域内のみで流通しています。

はねうさぎ

旧ソ連の未承認国で通貨を発行しているのはこの沿ドニエストル共和国だけらしい。

硬貨や紙幣には独自の図柄が使用され、収集家の間で関心を集めることもあります。

はねうさぎ

ちなみに、モルドバの通貨は「レウ(MDL)」で、”国境付近”では、両通貨使える場所もありました。

さらに興味深いのは、補助通貨はカペイカ(1ルーブル=100カペイカ)というそうで、沿ドニエストルは独自性をアピールするため、非常にユニークな硬貨を発行しているとのこと。

その一例として、2014年に、法定通貨として世界初かつ唯一のプラスチック製硬貨の1・3・5・10ルーブル硬貨が発行されたそう(現在では製造されていない)。

びっくりです。

モルドバ・レウから沿ドニエストル・ルーブルへ両替できる場所

看板に「EXCHANGE」の文字を見つけた!
「EXCHANGE」の文字を見つけた!(よく見ると下のサインの理容店の名前も凄い….) ©haneusagi.com

出発前に調べた情報では「国境付近でしか両替できない」とありましたが、現在はティラスポリ市内中心部に銀行や両替可能なショッピングモール(ドライバーさんはショッピングモールと言ってたけど微妙)があります。

私は、窓口で「ユーロから換金可能か?」と質問したら、できるとのことだったので10ユーロだけ換金しました。

ユーロとの換算目安(2025年7月時点)

  • 1 EUR ≒ 17.6〜18.9 PRB(公定レートベース)
  • 逆に、1 PRB ≒ 0.053 EUR(≈5.3セント)程度

当然ですが、現地で使い切る事が無ければ他で使う事も両替も無理なので、買い物予定がない場合にはリスクしかないので両替さえも不要だと思います(笑)

私は、立ち寄ったカフェでペットボトルのお水を2本、KVINTでコニャックのミニボトル詰め合わせを1箱、その後立ち寄ったティギナ(Bender)の要塞の入場料1人分で、数枚1ルーブル札が手もとに残りましたが、合計でも1ユーロ以下ということで、お土産として保管しています。

記憶をもとに地図をみてみたものの、記憶と地図の場所が合致しないのですが、以下近辺が両替窓口がある場所です。

沿ドニエストル、行ってみてわかったこと

ティギナ要塞の中の武器器物館のお土産屋さんで販売されているマグネット
ティギナ要塞の中の武器器物館のお土産屋さん ©haneusagi.com

「ちょっとディープな体験をしてみたい」「未承認国家と聞くだけでワクワクしてしまう」「旧ソ連の空気を感じたい」…そんな旅好きにとって、沿ドニエストルは思いのほか刺激的なキシナウからの日帰り旅行先でした。

未解決の問題がありながらも、沿ドニエストルは旧ソ連時代の名残を色濃く残す旅先として非常に魅力的で、ソビエトマニア、地政学オタク、冒険好き、あるいはちょっと変わった旅を求める人の興味を惹きつける場所だと思います。

思った以上に平和(というか私たちの生活とほぼ同じ状況・空気が流れていた)でした。

確かに情報が少なく、不安になる部分もありますが、信頼できる現地ドライバーやガイドさんなどを見つけ、事前の下調べさえしっかりしておけば、決してハードルの高い旅ではありません。

何より、「存在は知っていたけれど、行ったことがなかった場所」に自分の足で触れる体験は、記憶に残る貴重なものになりました。

ティギナ要塞(またはベンダー要塞)に関してはサクッと「【モルドバ旅行ガイド】日本人の多くが知らない東欧の小国で出会うワインと歴史の魅力」の記事中で触れていますので、合わせて読んでいただけるととてもうれしいです❣

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この記事を書いた人

旅行、おいしいもの・ワインが大好きのドイツ在住40代。旅行、デザイン&アート、国際結婚ネタ、語学学習(英語・ドイツ語)のヒントをお届けします。20代後半にアメリカでインターン経験。現在はフリーランス翻訳家。ひょんなことから2017年7月11日より南ドイツ在住。干支と小動物風な行動により、幼少時に父親から「うさ」と呼ばれて育つ。その最愛の父は2021年に他界。気ままに書いてます~
プロフィール詳細は「はねうさぎ」をクリックしてね!
★TabiTabiさんに寄稿した「旅行記」
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