こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。
チェコといえばビール。毎年9月の第一週目の金曜日と土曜日に開催される 『ドチェスナ(Dočesná)』と呼ばれるホップフェスティバルは、街全体がビール一色に染まるお祭りです。
チェコ北部の街 Žatec(ジャテツ) は、ホップ栽培の中心地として世界的に知られ、2023年には「Žatecとそのホップ景観」がユネスコ世界遺産に登録されました。
毎年9月の第一週目の金曜日と土曜日には、チェコで最も長い伝統を持つ、EU最大のホップとビールのフェスティバル『Žatecká Dočesná(ドチェスナ)』 が開催され、世界中のビールファンを魅了しています。
この記事では、私自身の訪問体験を交えながら、ドチェスナとŽatec観光の見どころ、そして旅行に役立つ実用情報をご紹介します。
チェコの基本情報

チェコ共和国(Česká republika)は中央ヨーロッパに位置する内陸国で、ビールや美しい古都プラハで有名です。
歴史的には神聖ローマ帝国やハプスブルク家の支配を経て、現在はEU加盟国。美しい城や街並み、豊かな食文化が観光客を惹きつけています。
- 首都:プラハ(Prague)
- 人口:約1,050万人
- 通貨:チェコ・コルナ(CZK)
- 宗教:カトリック、プロテスタント、無宗教が多数(共産主義時代の影響)
- 公用語:チェコ語
- ビザ:日本国籍なら90日以内の観光は不要(シェンゲン協定内)
- 治安:ヨーロッパでも比較的安全で観光しやすい国

首都のプラハをはじめ、観光地では英語やドイツ語が通じる場所が多いです。
Žatec(ジャテツ)の基本情報

Žatecは、ボヘミア地方北西部に位置する人口約2万人の街で、プラハから車で約1時間半で訪れることができます。
街の繁栄は中世から続くホップ栽培とその貿易に支えられてきました。
世界的に有名な「Žatecホップ」の産地として知られ、ビール醸造の歴史と切り離せない存在です。

ビールが好きな人にはぜひ行ってみて欲しい!

特に14世紀には神聖ローマ皇帝カレル4世がŽatec産ホップを高く評価し、以降ヨーロッパ各地へ輸出されることで「ヨーロッパのホップ首都」として名を馳せました。
2023年には「Žatecとそのホップ景観」がユネスコ世界遺産に登録され、さらに注目を集めています。

旧市街には歴史的建築や広場が残り、こじんまりした観光地としても魅力的です。
- 所在地:チェコ北西部、ウースチー州
- 人口:約2万人
- 特徴:世界的ホップ産地、ビールとホップの街
- 世界遺産:Žatecとそのホップ景観(2023年登録)
- アクセス:プラハから車で約1時間半、バスで約2時間
プラハからジャテツまでの行き方
車が無い場合、一番行きやすい方法はバスです。
www.idos.czのWEBサイト、もしくはアプリで時刻表や運賃などをチェックでき、バスによってはそのサイトでチケットも買えます。まずはidos.czをチェックしましょう。
Žatecを知ったきっかけ

私がŽatecを知ったのは、チェコのピルスナー・ウルケル醸造所ツアーに参加したときでした。
今まで5回ほどピルスナーウルケルのガイドツアーに参加しているのですが、ガイドさんたちと会話をしている中でホップやビール祭りのおすすめとして「Žatec産ホップ」と「Dočesná」というフェスティバルについて触れていたのです。

それがきっかけで調べてみると、ホップ博物館やビアテンプル(Hop & Beer Temple)など、観光としても面白そうな街であることを発見しました。

Dočesná(ドチェスナ)体験記(2024年)

初めて『ドチェスナ』を訪れたのは2024年。
Žatecの中心部全体が会場となり、街の広場や通りにはブルワリーのブースが並び、51の醸造所が参加していました。
2025年はさらに増え、58のブルワリーが集結します。

ジャテツの街にも地元のビール工場があり、ドチェスナ期間中だけ敷地内で工場直送ビールを飲めるほか、様々なビールブランドの出店があります。
ビールのスタンド以外にも、ソーセージ・豚の丸焼き・ラクレット・コロッケ・焼きそばなどのフードスタンド、お土産屋さんのテントが立ち並ぶので、B級グルメを楽しむこともできます。

また、子供用のミニ遊園地、市庁舎前に大きなステージが設置されてライブ音楽やパフォーマンスを楽しめるなど、完全にお祭りの雰囲気となります。

チェコバージョンのオクトーバーフェストのようなイメージ。

来場者は「オンライン投票」などでお気に入りのブルワリーに投票でき、まるで「ビールの祭典の総選挙」のような雰囲気を味わう事もできます。

土曜日にはパレードもありました。音楽を聴きながらビール片手に中世の雰囲気が楽しめます♪

日本のビールメーカーであるサントリーもブースを出しており、ヨーロッパで「プレミアムモルツ」の生ビールを飲めたのは感動的でした!

サントリーのブースで日本人らしき方を見つけたのでお話してみると、プラハから毎年お手伝いに来ているとのことで、日本から直接生樽のプレモルを持ち込んでいるとのこと。
まさかŽatecで日本の生ビールをいただけるとは思ってもいなかったので嬉しいサプライズでした❤

このプラハ在住の日本人の細矢さんはYoutube「プラハでピヴォ」というチャンネルをやっていますのでぜひチェックしてください♪

また、フェス期間中は市内各所に大小さまざまなステージが設けられ、プログラムに沿ってライブパフォーマンスが行われます。

出演者は基本的にチェコのアーティストやバンドですが、2024年にはユーロビジョンでチェコ代表となった「Aiko」も登場。

日本人アーティストだと思って期待して待っていたらロシア系チェコ人だった(笑)
少しだけ彼女のステージを楽しむことができました。
ドチェスナの公式ホームページもチェックすると、イベントの時間帯や出店ブランドを確認できます。
2025年は観光中心でジャテツに再訪

2025年はフェス時期の宿泊先が取れず、フェス自体は断念しましたが、Žatec観光を目的に訪問しました。
街のランドマークであるHop & Beer Temple(ビアテンプル)の時計仕掛けショーや、世界最大級の ホップ博物館 を巡り、Žatecの歴史とホップ文化を深く感じることができました。

さらに市外に足を伸ばして訪れたのがChâteau Stekník(シュテクニーク城)。
お城の周囲には広大なホップ畑が広がり、まさに「世界遺産の景観」を実感できます。

収穫前の時期だったので、青々としたホップ畑の美しさに感動しました。
Dočesnáの歴史とユネスコ登録

Dočesnáの起源は中世にさかのぼります。1833年にはŽatecにホップ栽培者協会が設立され、19世紀には「Hopfenkranzfest(ホップ祭)」として定着。
20世紀以降は市を挙げての大イベントとなり、ホップ農家から市への「収穫の引き渡し」が象徴的な儀式として続けられてきました。
第二次世界大戦後も開催は続き、1950年代から現在の「ホップとビールの祭典」の形に発展しています。

そして2023年に、「Žatecとそのホップ景観」がユネスコ世界遺産に登録されました。
世界で初めて「ホップ栽培」をテーマとした文化的景観が登録されたことは、Žatecにとっても大きな誇りであることは疑いの余地がありません。
Žatec観光スポットまとめ

ジャテツは、チェコのほかの観光地に比べるとこじんまりしていて英語も通じにくいのですが、逆に観光地化され過ぎた場所が苦手な方にはお勧めです。
ドチェスナのお祭り意外では目立った観光客は少な目な印象でしたが、いくつか街と周辺のおすすめのスポットをご紹介します。
ホップ博物館(The Hop Museum)

Žatecには、世界最大級のホップ博物館があります。
19世紀のホップ取引所を改装した建物で、栽培から乾燥・輸出までの工程を展示しています。

古い道具や写真、歴史資料が並び、ホップの文化的・経済的価値を実感できます。

ジャテツのホップの品種は世界でも高級ホップとして知られており、日本のビールメーカーの数々も使用しており、博物館内には沢山の写真がありました。
QRコードをスキャンして、チェコ語・英語・ドイツ語の3言語で説明を聞くことができます。
ビール好きには必見のスポットです。
Hop & Beer Temple(ビアテンプル)

市内の中心にあるモダンな体験型施設で、シンボルは大きな時計仕掛けのタワー。
毎時動く人形や仕掛けが楽しく、決まった時間になると観光客があつまり、人気を集めています。
館内には展示やショップ、ビールテイスティングもあり、Žatecのホップ文化を気軽に楽しめます。

別料金を支払ってタワーに上り、ジャテツの街並みを一望することもできます。

お天気が良いととても気持ちが良いですよ。

こちらに併設しているビアガーデン・バーもおススメです❣

旧市街(Historic Town Centre)

Žatecの旧市街は、石畳の広場や中世の雰囲気を残す街並みが魅力です。
市庁舎や教会、広いマルクト広場(ホップの取引のため広い広場が必要だったらしい)、歴史的建築が点在し、散策だけでも十分楽しめます。
また、Žatecには、ホップ産業の歴史と並んで、ユダヤ人コミュニティの遺産も残されています。
旧シナゴーグや新シナゴーグ、そして17世紀からの墓石が残るユダヤ人墓地は、街のもう一つの歴史的側面を感じられる場所で、ウォーキングツアーも実施されています。
広場には、「世界一小さなホップ畑」もあり、その近くにツーリストインフォメーションもあるのでぜひ覗いてみましょう。
カフェやレストラン、ビアバーも点在しており、地元の人々の暮らしを感じながら休憩できるのもおすすめです。
Château Stekník(シュテクニーク城)

Žatec郊外にあるバロック様式のお城で、周囲には広大なホップ畑が広がっています。
庭園からはホップ畑の絶景が望め、まさに世界遺産の景観を体感できます。
内部の一部はツアーで見学可能で、貴族の暮らしや農業の歴史を学べるスポットです。

少し外観はボロボロな感じはありましたが、とても興味深くかわいいお城でした。
Dočesná参加のための旅行Tips

ドチェスナは、毎年9月の第一週目の金曜日と土曜日と日程が決まっています。宿はすぐ埋まってしまうので宿泊場所の確保が最大のハードルです。
ホテルのチェックイン時にその話をしたら「大抵のゲストはドチェスナが終わってチェックアウトする時に来年の宿泊予約押していくの。でも今年の日程でキャンセルが出たからもしよかったら部屋をオファーできるわよ」と言われました。
キャンセル待ちという方法で思い立ってパッと行ってみる事ができる人ならチャンスがあるかもしれません。

私たちはさすがにドイツからの片道が結構遠いし次の週にまた来るのも…という感じだったのでお断りしました。
- 開催時期:毎年9月第1週末(金〜日)
- 入場:基本無料(一部VIP席など有料あり)
- ビール価格:1杯あたり50〜70コルナ(約300〜400円)
- アクセス:プラハから車で約1時間半、バスで約2時間
- 宿泊:フェス時期は早めの予約必須。Žatec市内が取れない場合はLounyなど近郊からアクセス可能
- 持ち物:防寒着(夜は冷える)、小銭、歩きやすい靴
まとめ

Žatecは、世界遺産のホップ畑と街歩きを楽しめるだけでなく、『Dočesná(ドチェスナ)』というEU最大のホップとビールの祭典を通じて、他では味わえない体験ができる特別な街です。
フェスで地元や海外のビールを堪能するのもよし、観光で歴史と文化を楽しむのもよし!
私自身も「フェス+観光」の両方を体験して、Žatecの魅力をより深く感じることができました。
次回訪問の際は、ぜひフェスと観光を組み合わせて、この街ならではの豊かな時間を過ごしてみてください。


コメント