こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。
12月24日はクリスマスイブです。
先日、SNS(X/旧ツイッター)で「12月24日を祝うのは日本くらいでは?」というコメントを目にしました。
この意見にちょっと驚きつつ、世界ではどうなのだろうと気になりました。
例えば、私が以前住んでいたアメリカでは、24日はそれほど特別な日ではありません。
家族や友人が集まるのは25日がメインで、ごちそうを食べてクリスマスを祝います。
イタリアでも25日がメインのお祝い日だそうです。
では、ドイツではどうなのでしょうか?
実は、ドイツでは24日が家族にとってとても重要な日。
この記事では、我が家を含めたドイツ流のクリスマスイブの過ごし方をご紹介します!
クリスマスツリーは24日に飾るのがドイツ流?!
ドイツでは、伝統的にクリスマスツリーを12月24日のクリスマスイブに飾りつけします。
このウェブサイト「Christmas around the world」によりますと、世界で初めてクリスマスツリーを家に飾ったのはドイツ人だと言われているとのことです。
いろんな国に友人がいる私は、SNSでは「クリスマスツリー飾った!」というレポートと共に居間に飾り付けられたクリスマスツリーの写真を拝見することもしばしば。
これが、大体12月の始めごろが多いです。
イギリスやアメリカの英語圏はそんな感じですし、北欧、南ヨーロッパもそんな感じ。
でもドイツは12月24日まで飾りません。
もちろん家庭ごとに差はあるものの、一般的には24日に飾る家が多いと思います。
クリスマスツリー自体は、生の木を事前に購入しておくのですが、お部屋に持ってきて飾るのは12月24日。
他の国もそうですが、ドイツではクリスマスツリーを1月初めまで飾っておきます。
大抵の家庭が1月6日の「Heilige Drei Könige(ハイリゲ・ドライ・ケーニゲ)」と言われる東方三博士の日くらいまで飾っておきます。
なぜドイツではクリスマスツリーを12月24日に飾るのか?という質問に対しては「伝統だから」と言う回答が多いのですが、中には「葉が落ちて掃除が大変だから」という人もいます。
そう。奇麗好きのドイツ人。
確かに、アメリカに住んでいた時、毎週末にクリスマスツリーの下を掃除機かけていたなあと、思い出しました。(ちなみにドイツでは日曜日に掃除機をかけるのは非常識と思われています)
また、ドイツでは「アドベント」と呼ばれるクリスマス前の4週間を祝う習慣もあり、ドイツ人は首を長―くしてクリスマスまでの日程を楽しみます。
【ドイツではクリスマスイブを盛大に祝う】ホリデーシーズンを満喫
「クリスマスイブを祝うのって日本だけ?」に対する答えですが….
そんなことはありません!
ドイツでもクリスマスイブ(12月24日)はとても重要な日で、家族でクリスマスを祝う中心的な時間として大切にされています。
キリストの誕生日自体は12月25日ですが、24日はクリスマスツリーを飾り、家族で一緒に過ごす特別な日なのです。
私たちの家庭では、まず家族全員で教会へ行きます。
その後、家族で夕食を食べます。
夕食は豪華で、いつもより高価なワインなどを開けます。
その後、「クリストキント(Christkind)」と呼ばれる天使のような存在がプレゼントを届けにやってきます。
これは、日本や他の国での「サンタクロース」と同じような役割を果たします。
クリストキントが来る前は、クリスマスツリーのろうそくに火が付いていないのですが(義理両親宅は本物のキャンドルを使用)、クリストキントが来ると、ろうそくに火がともるという、想像力を最大限に発揮してメルヘンの世界に浸ります(笑)
クリストキントが来るとベルが鳴り、家族みんなで居間に集まってプレゼントを開けます。
その後、夕食を楽しみます。
教会、プレゼント、クリスマスディナーの順番は家庭によって異なるようです。
私たちの家族は、毎年次のような流れです。
- 教会(17:00頃のミサ): 近くの教会で行われるミサに参加します。
- 夕食: 家族みんなで特別なクリスマスディナーを楽しみます。
- クリスマスプレゼント: 夕食の後にクリストキントがやってきて、プレゼントを開けます。
私にもクリストキントが来ました!^^
はねうさ夫の話では、彼が子供の頃は12月24日から26日までの3日間、毎日教会へ行っていたそうです。
今でもその習慣を守る家庭はあるようですが、私たちは簡略化して24日のみにしています。
教会では、子どもたちによる「Krippenspiel(クリッペンシュピール)」または「Kinderspiel(キンダーシュピール)」と呼ばれるイエス・キリストの誕生劇が上演されます。
これを楽しみにしている人も多いですが、我が家では「つまらない」「時間の無駄」「全然イケてない」と大不評(苦笑)。
ドイツ人といってもさまざまですね!(笑)
ドイツでは、クリスマスイブが家族で過ごす特別な時間であり、クリスマス本番に匹敵するほど重要視されています。
教会でのミサやクリストキントの訪問、プレゼント交換、そして家族でのディナーなど、それぞれの家庭で異なるスタイルで祝われていますが、家族で過ごす時間と、温かい雰囲気はどこも同じです。
クリスマスイブ12月24日はドイツでは祝日なの?
12月24日のクリスマスイブは、ドイツでは正式な祝日ではありませんが、日本の大晦日をイメージしていただけると分かるように、ほとんどの会社がお休みとなります。
正式には、12月25日と26日が祝日ですが、12月24日は、お店は14:00で閉まるところが多いです。
会社の場合は、その年のカレンダーにもよりますが、24日は会社が従業員にお休みを与える場合がほとんどです。
日本の大晦日の習慣にすごく似ていると思います。
ドイツ人はクリスマスに何を食べるの?!特別な食事はある?
ドイツのクリスマスでは、伝統的な食事として「ソーセージとポテトサラダ」が広く親しまれています。
一方で、家庭によってはオイルフォンデュやラクレットといった料理を囲むこともあります。
また、鴨肉や牛肉のロースト、お魚(鯉)を使った料理も人気です。
それぞれの家庭でクリスマスならではの特別なメニューを用意し、大切な人たちと温かな時間を過ごします。
我が家(というか、はねうさ夫の実家)のメニューは、少しファンキーなドイツ人なので?!毎年メニューが違います。
私がドイツに引っ越してきた初年度は、マグロやサーモンなどのお魚でした。
2年目の昨年は、鯉のフィレ。これまたお魚で、私たちの住んでいる地域では、鯉を食べる習慣があります。
今年は「フォンデュ」です。
※ちなみに、夫に確認したら「チーズフォンデュではない」とのこと・・。何なんだろう!
【追記】
チーズフォンデュではなく、オイルフォンデュと呼ばれるものでした!
油脂を溶かして液体状にした揚げ鍋の中に、スティックに刺したお肉を入れて素揚げにした後、ソースにつけていただくものでした。
豚肉、子牛、牛肉を用意してくれていて、初めていただきましたがとても美味しかったです。
ソースは全て義理母手作りで、カレーソース、レモンタルタルソース、パプリカソース、アボカドソース、ロックフェラー(ブルーチーズ)ソースの5種類とこれまた手作りのハーブバターと、6種類のオプションでした!
フランス語ですが、Wikipediaがありましたのでリンクします。写真でイメージ付くでしょうか?!
クリスマスが近くなると、義理母から「クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントは何が欲しいの?(私の誕生日が1月な為)」「クリスマスはフォンデュかサーモンどっちがいい?」などと質問攻めにされます。
他のご家庭は割とドイツの伝統的な料理が多いようで、やはりソーセージ(またはお肉)とジャガイモというのが多いらしいです。
お肉は、牛肉だったり、鴨肉だったり、七面鳥だったり、ウサギ肉だったり様々。
はねうさ夫のおばあさんが亡くなるまでは、ソーセージにポテトサラダを毎年クリスマスに食べていたようで、ドイツのクリスマスディナーの定番とはいえ、意外と質素な内容ですよね。
料理大好きな義理母は、志向を凝らしたお料理でお祝いしたい気持ちがあるようで、我が家では「典型的なドイツ料理」をイメージするものは食卓にあまり上がりません(笑)
【追記】この年の12月25日のクリスマス当日の昼食は、この地域の伝統的な食事でした。これはこれで私は好きなので美味しかったです。そして、ビールにワインを飲みまくる・・・というのは、日本と一緒でしょうか。
日本の大晦日やお正月をイメージしていただけると、想像がつきやすいかもしれません。
クリスマスディナーに関する別記事も(以下)書いていますのでぜひ読んでみてくださいね♪
ドイツではなぜ12月24日のクリスマスイブを盛大に祝うのか
色々なサイトを調べたり、ドイツ人にこの「ドイツではなぜ12月24日を盛大に祝うのか?」という質問をしても、誰も明確な答えをくれなかったりするので、理由ははっきりわかりません。
ドイツ人はせっかちだから・・・なんていう人もw
ただ、私が考えるに、ドイツ人は、前夜を祝うのが好きなのかなあと・・・単純に。
例えば、ドイツ人の誕生日の祝い方というのがあって、その人の誕生日の前日の夜に仲間同士で集まり、夜中に日付が変わって誕生日になる時に「カンパーーイ!」「お誕生日おめでとう!」というパーティーをやる習慣があるのです。
ですので、前夜祭とか、日付が変わる時に祝うとか、そういった習慣がドイツにはあるような気がします。
個人的には、おそらく日本人がクリスマスイブを祝う習慣は、ドイツから来たのではないかと推測しています。
戦前戦後の日本にとって、ドイツはヨーロッパの大国で見習うべきものが沢山あったし、ドイツから日本へ導入されたシステム(例えば法律的な部分や健康保険、政治的な制度など)も多くあります。
なので、日本にとってドイツは「参考にすべき友」であり、追いつき追い越せという存在だったことが言えると思います。
バブル景気のころは、「12月24日に赤プリを1年前から予約し、プレゼントは高級ブランド品が当然」だったわけですが、この辺も西洋の文化を生活に取り入れることがカッコイイ時代でしたので、12月25日よりは24日の前夜祭的な方が経済効果が高かったのかなあなどと、考えてみたりします。(時代を感じますね!)
今となっては、アメリカの影響を多く受けている日本なので、近年の日本の家庭や若者の間では、12月25日にクリスマスを祝う人もいますね。
さあ、そろそろドイツ時間でランチタイムです。
出かける準備をしないといけないので、そろそろ終わりにしますが、皆様もぜひ素敵なクリスマスをお過ごしくださいね!
Wir wünschen euch Frohe Weihnacht (Merry Christmas) !!
Ciao~!
【追記】ドイツと日本、深夜に祝う文化の共通点
本来のクリスマスミサの時間
この記事を書いた後に知ったのですが、ドイツでは「公式の」教会で行われるミサは夜遅く、22:00から開始されることが多いそうです。
ミサが終わるころには深夜を過ぎ、ちょうど25日のクリスマス当日を迎えます。
このため、本来の正式な過ごし方としては、24日の夜遅くにミサに参加するのが、私の住む地域の伝統的なスタイルとされています。
私たちの家庭の過ごし方
とはいえ、ミサはさまざまな時間に行われており、私たちの家庭ではここ数年、17:00開始のミサに行き、その後に家で食事を楽しむ流れが定着しています。
その理由としては、義理両親は「夕食と一緒にワインを飲みたい」とのことで、食事後に教会へ行くのは嫌だそうです。
まあ、そうですよね。車で行かなければならないため、運転を考えるとお酒が飲めませんし、教会は寒いですから…。
正直、私も、夜遅くのミサには少しハードルを感じます(苦笑)
ドイツの深夜の祝う文化と日本の二年参り
この事実を考えると、やはりドイツには「日付をまたいで行事を祝う」という独特の文化があるのだと改めて感じました。
そして、ふと気づいたのですが、これは私の日本の出身地域の「二年参り」とよく似ています。
二年参りとは、行く年と来る年を同時に祝うため、0:00前に神社へ行き、新年の日付が変わる瞬間を神社で迎えるという風習です。
参拝中、近所の人たちと少し会話を交わしたりもします。
まとめ
ドイツのクリスマスミサと日本の二年参り、どちらも日付をまたいで祝うという点で共通しています。
それぞれの文化には違いがあるものの、深夜に家族や地域の人々と一緒に特別な時間を共有するという点は同じです。
寒い中で厳かにお祝いをするひとときには、何とも言えない神秘的な感覚と温かさがあります。
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