こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。
ドイツ旅行や移住後の生活では、現地のマナーや文化を知っておくことがとても大切です。
中でも、日本にはない「チップ文化」は戸惑いやすいポイントの一つ。
この記事では、ドイツでのチップの基本、金額の目安、渡すタイミングやシチュエーションなど、実体験も交えながら詳しくご紹介します。
ドイツにチップ文化はある?答えは「YES」

先日、日本人旅行者の方とお話する機会があり、びっくり発言がありました。
それは、「アメリカならチップを請求されるからあげているが、ドイツでは(ヨーロッパでは)何も言われないので、チップはいらないと思っていました」と、言うモノ。
その方は、フランスからドイツを旅行し、フランスでも一度もチップを支払わなかった、ということでした。
ドイツには、アメリカほどの“強制的な”チップ文化はありませんが、感謝の気持ちを表す「心付け」としてチップを渡すのが一般的です。
たとえば、レストランやタクシー、美容室、ホテルなどでのサービスに対して「ありがとう」の気持ちを込めて渡します。
とは言え、色々な人にヒアリングしたところ、ドイツ人でも考え方、感覚は様々です。
チップはあくまで任意です。
サービスの質や状況に応じて判断されることが多く、「絶対にあげなきゃ!」という空気はあまりありませんが、10%程度を目安にチップを渡しているのが現実だと思います。

私がアメリカに住んでいた当時は、10~15%でヨシ!とされていましたが、アメリカのチップ%は年々上がっています。
ドイツでは「この割合で決まっている!」という風潮はないですが年々「アメリカ化」しています。
しかし、「チップを全くあげなくてもいい」「あげる必要はない」「必須ではない」かどうか?と言われると、個人的には「受けたサービスに対してあげるべき」と考えています。
ちなみに、はねうさ夫は、クレジットカードで支払いをしたときにはチップをあげていませんが、人によっては、クレジットカードで支払った後に少額現金をチップとして渡す人もいるようです。
ドイツのチップ文化の基本と役割

ドイツにおけるチップの役割
ドイツ語でチップは、Trinkgeld(トゥリンクゲルド)と言います。
ドイツではチップは感謝の気持ちを表すために渡されるもので、サービスに対する評価を示すマナーとされています。
多くの場合、チップは優れたサービスを提供したスタッフに対するお礼として渡されますが、先に書いた通り、必須か?と言われるとそうではありません。
また、サービス料が料金に含まれていることもありますので、チップはあくまで追加のお礼としての意味合いが強いです。
ドイツ人の中にも「面倒だから」と考える人もいれば、きちんと渡す人もおり、考え方は人それぞれ。
ただし、先にも書いた通り、一般的には10%前後が目安です。
どんな場面でチップを渡す?
では、ドイツではチップは何に対して支払うのでしょうか?
ドイツでも、北米とほぼ同じ考え方ですが、
- レストラン、カフェ、バーでの、配膳サービス(や、キッチンスタッフ)に対して
- タクシーの運転手に
- 美容院、ネイルサロン、マッサージ等などで施術してくれた方に
- 現地のツアーガイドや個人手配をしてくれた方に
- ホテルのベッドメイキングや、受付の方に特別にお願いして何かをやってもらった時に
- 引っ越し業者や修理屋さんなどに
- 大きな荷物を部屋まで配達してくれた方に
- 注文した家具や照明器具、電化製品を運搬・設置してくれた方に
- トイレ(トイレの入り口に人がいる場合)
今までいろいろな国を旅行していますが、上記はおそらくヨーロッパ全土で同じ考え方だと思っています。
旅行者が知っておくべきドイツでのチップの相場
- レストランでのチップ:
- 一般的に、レストランでは合計金額の5%から10%程度のチップを渡すのがマナーとされています。
サービスが特に良かった場合には、15%程度まで増やすこともあります。 - チップは現金で渡すのが一般的ですが最近はカード払いでも金額に含めて渡すことができます。
支払いの際に合計金額にチップを加えた合計金額を伝えるか、支払い後にテーブルに現金を置いて渡します。
- 一般的に、レストランでは合計金額の5%から10%程度のチップを渡すのがマナーとされています。
- カフェやバーでのチップ:
- 小額の飲み物や軽食の場合、端数を切り上げて渡すか、1~2ユーロ程度のチップを渡します。
- 小額の飲み物や軽食の場合、端数を切り上げて渡すか、1~2ユーロ程度のチップを渡します。
- ホテルでのチップ:
- ベルボーイやルームサービスに対しては、1~2ユーロのチップを渡します。
清掃スタッフには滞在期間中にまとめて渡すことが多く、1泊あたり1~2ユーロが目安です。私たちは忘れていて清掃には渡さない事もあります。
- ベルボーイやルームサービスに対しては、1~2ユーロのチップを渡します。
- タクシーやライドシェアでのチップ:
- タクシー料金の5%から10%をチップとして渡します。小額のチップでも感謝の気持ちを伝えることが大切です。
- タクシー料金の5%から10%をチップとして渡します。小額のチップでも感謝の気持ちを伝えることが大切です。
- その他のサービス:
- 美容室やスパでは、施術料金の5%から10%をチップとして渡します。
- ガイドツアーや観光案内では、状況やガイドに対して1~5ユーロ程度のチップを渡すことが一般的です。
日本から観光でドイツへ来る方は、「ドイツでもレストランやカフェ、バーでは、チップを支払うのかな?」と思う方は多いと思いますが、忘れがちな、
- タクシー
- ホテルのベッドメーキング
- ネイル、マッサージ
- ガイドツアー(ガイドさんが日本人や日本の会社であってもです!)
- トイレ(清掃の方)
なども、チップを支払うのがマナーと考えている人も多いので、こちらも忘れないように渡しましょう。
チップは「気持ち」ですので、高額を渡す必要はありませんが、サービス業に関わってきた私の友人曰く、「いただけるのと、ゼロだった時の気持ちの落差が激しい」とのことですので、チップはあげた方が良いと思います。
これらの基本情報を把握しておけば、ドイツでのチップマナーをしっかりと守り、スマートに旅行を楽しむことができます。
スマートに渡したい:ドイツ流チップの払い方・渡すタイミング

ドイツでのチップの払い方は、北米と少し違います。
チップの渡し方<事例その1>
カフェで、ケーキとコーヒーを注文し、お会計を頼むと(ドイツは基本的にテーブル会計です)
合計金額が、8,60ユーロでした。
=>この場合、端数をキリのいいところでまるめて切り上げ、10ユーロ札を渡し、おつりはいらないという。(1.40ユーロのチップ)
または、9,00ユーロにしたい場合には、「1ユーロのおつりをください」と伝え、40セントをチップとして渡す。
チップの渡し方<事例その2>
タクシーに乗ったら、17,90ユーロでした。
=>チップも含めて20ユーロを渡したいが、50ユーロ札しかない場合、「30ユーロのおつりをください」と言って、20ユーロを支払う。
特に、大きなスースケースや荷物を運んでくれた等には、1~2ユーロ上乗せしてあげると良いと思います。
チップの渡し方<事例その3>
ドイツのある観光地へ行き、特別に手配してもらった日本語ガイドさんによるツアーに参加。
ガイドツアー費用は、3時間で120ユーロだった。
=>ガイドさんに満足であれば、私は5ユーロくらいを渡します。「必ず10%でなければいけいない」と言う決まりはありません。
大人数のグループだった場合や、終日だった場合などは、10%を渡していいと思います。
当たり前ですが、相手が日本人であっても、チップはあげましょう。
ちなみに、先日お話した日本人観光客の方が、この私の言う「ドイツはチップ10%」というのは嘘か本当か?という事を確認したくて、夕食を食べに行ったレストランのウェイターさんに、チップのことを訪ねたらしいのです(すごい勇気!)
そうしたら、「10%」と言われたらしいです。
と、言うことは、やはり、レストランのサービスをしてくれる方々は、10%は期待している、ということですねー。
私とはねうさ夫は、高級レストランか、かなりフレンドリーなサービスを受けた時でない限りは、10%も渡しません。
端数を切り上げて渡しています。
ちなみに、クレジットカードで支払う時にドイツでは、北米のようにクレジットカードのレシート欄にチップを記入する場所が無いこともあります。
もちろん、記入する場所が設けられている場合もありますので、その場合はアメリカと同様、チップと合計金額を記入した方が良いでしょう。
レシートに「サービス料XX%を含む」と記載されている場合にはチップは不要です。
チップを渡すときに使えるドイツ語
チップを渡す時に、笑顔で感謝の気持ちを伝えることも重要です。
- 「Danke schön」(ダンケ シェーン)/「Vielen Dank」(フィーレン ダンク)
- 「Stimmt so.」(シュティムト ゾー)=「お釣りは取っておいて」
シンプルな表現でOK!笑顔と共に伝えることで、より好印象になります。

【ドイツ旅行の注意点】チップが不要なケースとは?

「チップは必須ではありません」とは言えども、少しあげるのが暗黙の了解のマナーになっているドイツ。
2年前にアメリカに行った時に、チップをあげたにもかかわらず、その金額に不満だからと、更なる高額チップを要求されたことがあり、一緒に食事に行った友人と、とっても嫌な気分になった記憶があります。
また、「タクシーの運転手にも手元に小銭が無かったからチップを少額しか払わなかったら、罵倒された」という友人もいて、憤りを覚えました。
アメリカ人はチップを(当然もらう権利があると)主張しますが、ヨーロッパ人は、お客様に直接言うことは「品が無い」と思っていると感じます。
ですから、「くれと言われるから払う」という感覚は、少し違うかな?と思います。
話がそれましたが、ドイツでチップをあげなくていい時というシチュエーションはどういう時でしょうか。
インビスやスナックスタンド、持ち帰りのお店はチップ不要
まず、インビスと呼ばれる、小さなイートインのような軽食のお店や持ち帰り店では、基本不要です。
もちろん、あげてもOKです。
お店のレジカウンターにチップの瓶や箱があればお釣り程度を入れても良いですね。
お持ち帰りも基本的にはチップ不要ですが、私は切りのいい所で繰り上げて支払うようにしています。
レストランでの対応が非常に悪かった時はチップ不要
これは、個人の判断基準によると思うのですが、注文した料理と違ったものが来た、かなりの時間待たされた、対応が全然フレンドリーじゃない、などなどあります。
特にドイツのレストランサービスは、日本に比べると非常に乏しい所が多いので、日本人からすると判断基準が難しいかもしれません。
ただし、ドイツのレストランは、20分くらいは待たされることも普通にありますし、全体的にドイツ人はそっけなくてぶっきらぼうですので、日本のレストランやサービスと比較して判断するのはやめましょう。
気持ちは、よ~~~くわかりますが!
私は一度、フランスで注文したグリルのお魚が生焼けだったことがありました。
冷凍モノをそのままオーブンに入れたという感じで、2度焼いてもらいましたが、チップ払いました・・・。
ベルリンのあるアジア系のレストランへ行った時に、お料理のクオリティもさることながら、サービスが非常に遅く、しかもウェイトレスはスマホをいじりながら仕事していたことがありました。
この時、はねうさ夫が「申し訳ないけど、料理のクオリティもサービスも、チップをあげられるものじゃなかったから」とはっきり言ってチップをあげませんでした。
ホテルでの対応が非常に悪かった時はチップ不要
エコノミーホテルやユースホステル、「環境に配慮してます」と張り紙をしているホテル以外で、連泊したにもかかわらず、ベッドメイキングやバスルームの清掃が無かった場合や、スタッフの対応が失礼だった場合などは、渡さなくてよいと思います。
ヨーロッパは、清掃員が部屋に来てなかったということが結構あります。
私は、東欧のある高級スホテルに宿泊し、シャワーのお湯が出ない、お部屋の清掃が無かった、受付の女性たちがいつもスマホをいじっている・・・等、ひどい対応だった事がありました。
この時、チップは払わず、さらに帰国した後、ホテル予約サイトへクレームして、料金の一部を次回のホテル予約に使えるクーポン発行、と言う形で対応していただいたことがありました。
最後に:チップは気持ちです
ドイツでは「サービス=対価」と割り切る文化もありつつ、やはり良いサービスには感謝を伝えるのが大人のマナー。
私のチップの基準は、
- 普通にサービスしてくれた
- 間違いが無かった
ドイツは全然「サービスコンシャスな国」じゃないので、サービスに期待してしまうと、がっかりしますので、あくまで「フツーにやってくれた!」っていうのが、私のポイント(笑)
日本人特有の「一皿をシェア」したくて、取り皿をお願いして持ってきてくれた時や、初めから注文したものすべてをシェアします、と伝えて、頼まなくても取り皿を持ってきてくれたら、そのウェイターさんはかなり気が利く方ですので、チップ沢山上げていいと思います!
高額である必要はなく、少しの気持ちが相手のモチベーションにもつながります。
文化の違いを理解しながら、気持ちよくスマートにチップを渡しましょう。

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