バイエルンの味覚を満喫!ホーフ(Hof)のメチャうまソーセージ!地元で愛される味を堪能

Germany
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こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

私が住むドイツのバイエルン州はドイツ国内で最も大きな州で、ドイツ全体の地域の約20%を占め、多様な地形や景観を持つ広大な地域です。

そのバイエルン州の北東部の隅っこにあるホーフ(Hof)という街は、チェコやザクセン州、テューリンゲン州との境界に近い、魅力的な街です。

フィヒテル山地とフランケンヴァルトの間に広がるザーレ川のほとりに位置し、山脈が近いことからバイエルン州の中でも寒い街として知られており、夏の観光地として人気です。

歴史的な建造物や美しい景観、川でのアクティビティが訪れる人々を魅了し、文化的なイベントや祭りも盛んで、地元の料理やビールを楽しむこともできます。

〇〇ホーフ、ホーフ〇〇など、ホーフ(Hof)と言う単語がドイツ語の言葉や街の一角の名前として使われる事も良くありますが、ホーフ(Hof)は「ホーフ市」のようなイメージで、同名の他の町や集落と区別するため、時には「ホーフ・アン・デア・ザーレ」と呼ばれることもあります。

この記事では、ホーフ(Hof)の名物であるソーセージとビールについてご紹介します。

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ホーフってどこ?ドイツのバイエルン州ホーフ(Hof)の歴史

ホーフの市庁舎とタワー ©haneusagi.com

ホーフは800年以上にわたる歴史を持つ都市で、中世の初め、およそ1180年に村落として始まりました。

ホーフの古い街区は1080年ごろには、すでに人が住んでいたとされています。

この街は、15世紀のフシテン戦争の混乱や1823年の大火など、様々な試練を経験しました。

1319年にはこの地域に都市特権が与えられ、最初は「RegnitzlandのHof」と呼ばれ、後に単に「Hof」と呼ばれるようになりました。(なるほど、はじめからホーフではなかったのですね)

ホーフの場所 GoogleMapで作成 ©haneusagi.com

ホーフは、1373年まで、アンデッハ=メラン家の後継者であるフォイテ家がホーフの市主でしたが、その後、1373年に、当時ニュルンベルクの城伯であったホーエンツォレルン家にホーフの権利を売却しました。

これにより、ホーエンツォレルン家は1791年まで地主であり、その後プロイセンの親戚に受け継がれました。

歩行者通路のホーフの街並み © haneusagi.com

その後、ナポレオン戦争中にフランス、その後オーストリアに併合され、1810年にバイエルン王国に編入されましたが、旧市街は1811年までHof市に編入されませんでした。

15世紀には、ブルクグラーフ・ヨハンによって綿の加工が導入され、これが後にホーフ経済の主要柱となる繊維産業の礎を築き、ホーフは繊維産業の中心地となりました。

ホーフはまた、中世からビールの街としても知られています。

当時、市民が醸造特権を持っていたため、各市民は毎年一定量の「醸造物」を生産することができました。

当時は専門のプライベートブリュワリーは存在せず、各市民は自身の必要分をブリューハウスで醸造していましたが、産業革命以降、必要な醸造技術が導入され、ビール製造も産業化されました。

20世紀初頭には、ホーフには12のブルワリーが存在しましたが、現在はそのうちの2つ、MeinelとScherdelが営業しています。

1823年の大火でホーフは大きな被害を受けましたが、新たな街の再建が始まり、その過程で今も残るルートヴィヒ通りの美しい街並みが形成されました。

そして、ホーフは産業革命後に大きな成長を遂げ、1848年に最初の鉄道が開通しました。

そう、なんと「こんな場所なのに普通に電車通ってる!という印象w

これにより、ホーフは産業都市としての役割を果たすようになり、19世紀半ばからは街の周辺に工場が立ち並び、繊維産業のほかにも陶磁器産業も発展しました。

第二次世界大戦では、ホーフは被害を免れましたが、戦後は多くの難民や捕虜が通過し、市の人口は急増。

1989年のベルリンの壁崩壊後、ホーフは再び注目され、ドイツ再統一の中心地の1つとなりました。

今日、ホーフは繊維や陶磁器の産業の他に、水と環境技術、ロジスティクス、自動車部品の分野でも成長を続けています。

ホーフのソーセージ売り「Hofer Wärschtlamo」(ソーセージマン)

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ホーフの街を散策していると、街の歩行者専用エリアの数カ所にソーセージの移動販売をしている人を見かけます。

後で調べてわかったのですが、ホーフではこの伝統的な移動式ソーセージ売りの人のことを、この地域の方言でHofer Wärschtlamo(ホーファー・ヴェルシュトラーモ「ホーフのソーセージ売り」)と呼ぶそうで(通常ドイツ語では「Würschtlmann」)、なんと150年にもわたる歴史があるそうです。

現在、旧市街地でソーセージを販売しているヴェルシュトラーモは6人いるそうで女性のソーセージ売りも見かけました。

ヴェルシュトラーモは、ウィンナーソーセージや白ソーセージなど、様々な種類のソーセージを路上で販売しています。

炭火が入った箱の上にセットされた真鍮製の箱のような「バケツ」や、マスタードの缶、そしてたくさんのロールパンを入れるための大きなバスケットをセットして、パラソルなどを立てて路上でソーセージを販売。

大抵は、ソーセージはデフォルトで2本1組で、その場でパンにはさんで「どうぞ!」とそのまま手渡しされるので、気軽に食べる事ができます。

恐らく、昨今のインフレで若干価格が上がったのではないかと感じましたが、3ユーロ前後でいただけるのは嬉しいですね。

ホーフのソーセージ売りヴェルシュトラーモ(Wärschtlamo)の歴史

真鍮の入れ物にバスケット、白いエプロンに帽子姿のヴェルシュトラーモ達 ©hof-waerschtlamo.de

1871年にホーフ市が最初に設立した商業登記簿にソーセージ商として記載されたヨハン・アルブレヒト・サンドナーという人物が、最初のホーファー・ヴェルシュトラーモと考えられているそうです。

「ヴェルシュトラーモ」という職業は、ホーフにしか存在しません。(それも方言だしw)

この移動式ソーセージ売り「ヴェルシュトラーモ」が売るソーセージは、特別に開発された釜の中で水ではなく蒸気で加熱されるため、真鍮製の釜は比較的軽く、肩ひもで持ち運ぶこともできたため、移動販売に適していたようです。

蒸気による調理なので、ソーセージが独特のカリッとプリっとした食感に出来上がるのだとか。

箱が真鍮製なのは、真鍮は熱を伝導しやすく、かつ耐久性があるので、釜の中でソーセージを蒸し焼きにする際に適切な温度を維持することができ、そして、真鍮は錆びにくい性質もあり、衛生的な状態を保つことができます。

これらの特性から、真鍮製の箱がヴェルシュトラーモにとって理想的な選択肢とされたようです。

当時は、ヴェルシュトラーモは、口笛と伝統的な掛け声「Haaß senn sa – kolt wern sa」(熱いぞ、冷めるぞ)をかけて販売していたようですが、現在では、各自が許可を得た固定した販売場所(決められている?)でソーセージを売っているため、掛け声はありませんでしたw

ホーフには、このヴェルシュトラーモの記念碑まであり、ホーフ市内に独自のヴェルシュトラーモ信号機を導入する試みもあったそうですが実現しなかったそうです(例:ドイツ国内にはベルリン、ブレーメン、マインツ、アウグスブルクなどの街固有の「アンペルマン」デザインの信号機がある街があります)

いざ実食!ヴェルシュトラモ(Wärschtlamo)から買えるソーセージの種類

© haneusagi.com

私たちが買った時には、看板にメニューが表示されており、それによると、ソーセージの種類は8種類。

  • Wiener:ヴィーナー・ソーセージ(ウインナーソーセージ)は、伝統的に羊の腸のケーシングに豚肉と牛肉を入れ、低温で燻製して作られる薄いソーセージ。ヴィーナーという言葉はドイツ語で「ウィーンの」を意味する。
  • Debreziner:デブレツィナー・ソーセージは、ハンガリーの都市デブレツェンにちなんで名付けられた、均一なきめの細かい赤みがかったパプリカ入りのオレンジ色のポークソーセージ。パプリカやコショウなどのスパイスが効いている。Debrecenerとも書く。
  • Weißwurste:ヴァイスヴルストは、バイエルン州の伝統的な白ソーセージで、きめ細かく挽いた仔牛肉、新鮮な豚肉から作られる。風味づけにパセリ、レモン、ナツメグ、タマネギ、ショウガ、カルダモンなどが使用される。
  • Knacker:クナッカー(または、Bockwurstボックヴルスト)は太めのソーセージで、ホーフ(Hof)が位置するフランケン地方では主に湯煎で温める。シュヴァーベンでは、このソーセージは「ローテ」とも呼ばれ、焼いて食べる事が多い。
  • Bauernwürste:田舎風ソーセージ。Bauenはドイツ語で農家や農場の意味で、伝統的な粗びきソーセージ。
  • Käsewiener:チーズ入りのウィンナーソーセージ。上質なウインナーソーセージに美味しいチーズが入っており、格別な味わい。ドイツ語で「Käse」はチーズを意味する。
  • Käseknacker:チーズ入りのクナッカーソーセージ。
  • Käsekrakauer:粗びきの豚肉に、10~20%の割合のチーズ(エメンタールチーズなど)を小さな角切りにして軽く燻製した茹でたソーセージ。

デブレツィナーという名前のソーセージを初めて聞いたので、はねうさ夫も私も、このパプリカ入りの「Debreziner:デブレツィナー」を食べてみる事に。

マスタード有りか無しかを聞かれますので好みを伝えます。

ホーフのヴェルシュトラーモが売っているソーセージは、一般的なモノより少し細めらしく、基本的に「1 Paar(2本のペアで1つ)」で売られていて、毎日新鮮なものだけを販売しているそうです。

少し細めで油で焼いている訳ではないので、お腹にずっしり来ないのも良いと思いました。

ちなみに、ネットでは「スチーム調理」と読んだけど、実際にヴェルシュトラーモのおじさんが真鍮の箱のような物をパかっと開けてくれた時には、ソーセージは湯煎されたようにお湯に浸かっていました。

もしかしたら保温する目的かもしれないし、詳細は不明ですが、このソーセージが、とにかくおいしかった!!

ドイツに来てから、テューリンゲンやニュルンベルク、フランクフルトなど色々なソーセージを食べてきましたが、もしかしたら一番美味しかったかもしれない感動!

特にすごくお腹が空いていたと言うわけでも無いですが、スチームしたソーセージがこんなにもカリッとサクッとクランチーなのには驚きました。

ソーセージを挟んで提供してくれるパンは、フランスパンのような白パンを小さくしたような少し楕円形の丸パンで、パンも美味しかったです❣

ぶっちゃけ、全種類制覇したい・・・(笑)そのくらいの感動的な美味しさでした。

ドイツソーセージと言えば組み合わせはビール!ホーフのビールも美味しい

©bierland-franken.de

中世にはすでにビールの町として高い評判を得ていたと言われるホーフの街。

市民は醸造特権を持っていたため、誰もが毎年一定量の「ビール」を製造することが許可されていました。

当時はまだ専門の民間醸造所は存在せず、市民一人ひとりが必要なだけ醸造所でビールを作っていました。

ビールの醸造が工業化されたのは、必要な醸造技術と冷却技術をもたらした産業革命以降のことで、20世紀初頭、ホーフには12ヵ所の醸造所が存在していましたが、現在はその12ヵ所あったうちの2カ所だけが継続してビールを生産しています。

ひとつは、Meinel(マイネル)で、もうひとつはScherdel(シェルデル)です。

ホーフ(Hof)のMeinel(マイネル)ビール醸造所

©https://www.andreawunderlich.com

ホーフにあるMeinel(マイネル)ブラウハウスは、地元で有名なビール醸造所です。

この醸造所は、ホーフで最も古い家族経営のビール醸造所の1つであり、200年以上の長い歴史があります。

Meinelビールは、伝統的な製法で製造され、地元の新鮮な素材を使用しています。Hofが位置するオーバーフランケン地域はビールに適した良い水がある事でも知られていますので、美味しいビールができるんですね。

なんと、現在の跡継ぎはマイネル醸造家一族の歴史上で初の、女性醸造家ジセラ・ヘレーネ・マイネル・ハンセンが伝統的なビジネスを受け継いでいるという事です。

跡継ぎのジセラ・ヘレーネ・マイネル・ハンセン(左) ©Meinel-Bräu GmbH

Meinel(マイネル)では、ピルスナー、白ビール、黒ビール、ラドラーなどさまざまな種類のビールが生産されており、地域内外で人気です。

ビールのラベルも可愛い❤し、ビール以外にもリキュールやブランデーも製造しています。

また、Meinelブラウハウスは、醸造所見学や試飲ツアーなどのイベントも開催しており、ビール製造プロセスに興味を持つ人々にとってホーフで人気のスポットとなっています。

公式ホームページ:https://www.meinel-braeu.de/

所在地:Absolviagasse 1, 95028 Hof

ホーフ(Hof)のScherdel(シェルデル)ビール醸造所

©Scherdel Bier GmbH & Co. KG

ホーフにあるScherdel(シェルデル)ビール醸造所は、バイエルン州で長い歴史を持つ伝統的な醸造所の1つで、創業は1851年。その長い歴史の間に地域で評判の高いビールを生産してきました。

ちなみに、シェルデル醸造所は、世界的に有名なビールコンクール「ヨーロピアン・ビア・スター 2023」で金賞を受賞している実力派。(※「ドイツビールヘラーボック”German-Style Heller Bock”」部門金賞。上記写真)

シェルデルは、馬車などを使ってビールをプロイセンとザクセンに輸送した最初のホーフの醸造家だったため、ホーフの街がビールの街として発展するのに大きく貢献したといいます。

現在、醸造所では、ピルスナー、ラガー、白ビール、黒ビール、季節限定ビールなど様々な種類のビールが製造されており、地元の人々や観光客に親しまれています。

見学ツアーや試飲イベントも定期的に開催されており、訪れる人々にビール製造の舞台裏やビールの多彩な味を体験する機会を提供しています。

Scherdelビール醸造所は、ホーフのビール文化や地域の伝統に欠かせない存在として、地域経済にも重要な役割を果たしています。

公式ホームページ:https://www.scherdelbier.de

所在地:Unterkotzauer Weg 14
95028 Hof – Innenstadt
Oberfranken

バイエルン州ホーフ(Hof)への行き方

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ホーフへは、大きな都市からですと、同じバイエルン州の州都ミュンヘンからが行きやすいと思います。

ミュンヘンからホーフへの行き方:

  1. 電車:ミュンヘン中央駅からホーフへのRegionalExpress(RE)の直通電車が運行されています。ICEやRegionalExpressなどの列車に乗り換えて、約2時間半~3時間で到着します。

  2. 車:ミュンヘンからホーフまでの距離は約290kmです。約2時間40分~3時間で到着します。

フランクフルトからホーフへの行き方:

  1. 電車:フランクフルト中央駅からホーフへの直通電車はありません。ICEやRegionalExpressなどの電車を乗り換えて、約3時間半~4時間で到着します。

  2. 車:フランクフルトからホーフまでの距離は約320kmです。約3時間半で到着します。

ベルリンからホーフへの行き方:

  1. 電車:ベルリン中央駅からホーフへの直通電車はありません。ICEやRegionalExpressなどの列車に乗り換えて、約3時間半~4時間で到着します。

  2. 車:ベルリンからホーフまでの距離は約315kmです。約3時間~3時間半で到着します。

ドレスデンからホーフへの行き方:

  1. 電車:ドレスデン中央駅からホーフ行きの直通列車が運行されています。RegionalExpress約2時間半で到着します。
  2. 車:ドレスデンからホーフまでの距離は約180kmです。約2時間50分で到着します。

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