こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。
オーストリアの首都ウィーンにある「オーストリア国立図書館プルンクザール(Österreichische Nationalbibliothek Prunksaal)」に行ってきました。
※英語では、State Hall of the Austrian National Library
この図書館は「世界で最も美しい図書館」のひとつと言われているバロック様式の建物です。
オーストリア国立図書館は、フレスコ画のドームを持つプルンクザール(Prunksaal)の他、地球儀博物館、エスペラント博物館、パピルス博物館、文学博物館の4つの複合博物館も併設し、運営しています。
プルンクザールにはプリンツ・オイゲン公の15,000冊のコレクションを含む、200,000冊以上が所蔵されています。
今回は、ウィーン観光におすすめのオーストリア国立図書館・プルンクザールをご紹介します。
オーストリア国立図書館プルンクザールの場所と行き方
プルンクザールは王宮の敷地内に位置していますが、ヨーゼフ広場の方から入ります。
私は、ミュージアムディストリクトの方から歩いて行ったので、そちらを説明します。
ホーフブルク王宮を右手に英雄広場を突っ切って歩き、シィシィ博物館を通り過ぎてミヒャエラープラッツを右に曲がり、スペイン乗馬学校を左手に進むとパラヴィチーニ宮殿の対面にヨーゼフ広場がありますのでそこから入り口を見つけましょう。
そこまでわかりにくくないので、入り口は見つけられると思います。
この国立図書館は、博物館としてだけでなく、現在でも図書館として使用されています。
プルンクザールのチケット料金(2023年7月時点)
- 大人:€ 10,00
- 19歳以下:無料
- 団体料金 (10名以上):€ 7,50
- ファミリーチケット(1枚につき大人2名と子供9名まで利用可):€ 16,00
- 日本語オーディオガイド:別途€ 5
※カードにQRコードが付いているので、それをスキャンして自分のスマホで聞くスタイル。ページから図書館員寄付も可能。カードはお土産にもなる❣ - チケットは現地窓口でも購入できますし、オンラインでも購入可能です。
19歳以下は無料!
ファミリーチケットも子供9名までと太っ腹です!
オーストリア国立図書館プルンクザールの歴史
ドイツ語で「プルンクザール(Prunksaal)」と呼ばれるこのホールには、1501年から1850年までの約20万冊の書籍が収蔵されており、毎年50万人近い訪問者が訪れます。
図書館は、神聖ローマ皇帝カール6世の命により、オーストリア・バロック芸術の最盛期である1723年から1726年にかけて建設されました。
とは言え、実は、宮廷蔵書の起源はそれよりも古く、中世末期にまで遡ります。
17世紀に入り、ハプスブルク家の蔵書が増えたことで、図書館の建設が必要となり、皇帝レオポルト1世は、王宮の一角であった現在のヨーゼフ広場に、地下に乗馬場、その上に図書館を備えた新しい建物を建設することを決めました。
皇帝レオポルトの息子である皇帝カール6世が建物の建設に必要な資金を40年後に調達。皇帝カール6世は、建物の建設資金と書籍購入予算を確保するために、新聞社や印刷会社に対する独自の特別税法を制定しました。
宮廷図書館は何世紀にもわたって、ドイツ国民の神聖ローマ帝国期、そして後にはオーストリア帝国の中央図書館として機能しましたが、1918年にハプスブルク家が衰退し、オーストリア=ハンガリー帝国が崩壊すると、それに伴って宮廷図書館は国の行政機関に管理が移行されました。
現在では、オーストリア国立図書館は、オーストリア共和国が所有者となっています。
【世界で最も美しい図書館】プルンクザールの見どころ「建築」
図書館の建物は、宮廷建築家ヨハン・ベルンハルト・フィッシャー・フォン・エルラッハの設計に基づき、1723年から1726年にかけて、息子のヨーゼフ・エマニュエル・フィッシャー・フォン・エルラッハによって建てられました。
ホールの大きさは、長さ77.7メートル、幅14メートル以上、高さは20メートル近くあり、中央ドームの高さは30メートルもあります。
圧巻!
建物は、オーストリアにおけるバロック建築の最も重要な例の一つであり、ヨーロッパで最初の独立した図書館として計画されました。
プルンクザールでは、絵画、彫刻、建築など、ホールのいたるところでカール6世の影響が見られます。
ホールに入って奥に進んで行くと、中央にカール6世の彫刻像が置かれていて光が当たっています。
像は、カール6世が自らをローマ皇帝として、また、科学と芸術の支援者であり推進者であると考えられているヘラクレス・ムサルムとして表現されています。
また、建物のインテリアや装飾要素のどれを見ても、皇帝と関連付けられています。
「ヘラクレスの柱」は、カール6世のモットーであった「不変と不屈の精神をもって」という意味を表しており、大理石の床は、彼が聖なる中心であり、太陽であり、神であることが表現されています。
ちなみに、ホールの装飾と家具はすべてオリジナルで、デザイン言語や世界観が見事に統一されているのが凄いです!
図書館は、当時、天空と地球に関するあらゆる知識が収集され、一般に公開されることを目的としていたと言います。
当時の宮廷図書館は、おそらくヨーロッパで最初に公共利用された大規模な図書館だったため、コレクションは非常に貴重。ただし、当時の利用者は文字が読めて、適切な服装をしていることが利用条件でした。
カール6世の時代は、バロック芸術のピークであり、オーストリアの歴史の中で文化的に重要な位置を占めていたのです。
自身も芸術や科学に関心を持っていたので、建築家としても活躍してホーフブルク宮殿をバロック建築様式で華麗に増築させたり、聖カールス教会を建設させたりしました。
【世界で最も美しい図書館】プルンクザールの見どころ「フレスコ画」
ハプスブルク家が芸術や科学を重視していたことが見て取れるオーストリア国立図書館。
皇帝カール6世へのオマージュであるフレスコ画は、ダニエル・グランの作品で、4年の制作期間を経て1730年に完成しました。
皇帝カール6世という人物を中心にデザインされている図書館は、彼の不変的な権力の主張を物質的に表現したものであり、それはホールのフレスコ画にも描かれています。
プンクザールは、中央に位置する楕円形のホールと合わせて、三部構成の空間になっていて、それぞれのフレスコ画のテーマに沿って、ドームホールの両側に位置する部屋は「平和の翼廊」と「戦争の翼廊」と呼ばれています。
実は、この中央ドームのフレスコ画は、カール6世が亡くなったわずか数年後にひび割れが生じ、崩壊の危機を防ぐためにマリア・テレジアが1767年に修復を依頼しました。
プルンクザールの中央横の窓際に大きなマルチメディアスクリーンがあるので、ここでズーム機能を使ってフレスコ画を見る事ができますよ!
言語は、ドイツ語と英語のみでしたが(私の記憶が正しければ)、スクリーンでドームに亀裂が入った跡を確認することができます。
また、オーディオガイドでフレスコ画の説明もあります。
世界120カ国以上で使える【JAPAN &GLOBALeSIM】【世界で最も美しい図書館】プルンクザールの見どころ「地球儀・天球儀」
私も最近知ったのですが、実はかつて、地球儀は必ず地球儀と天球儀の2つ1組で作られていたそうです。
天球儀が使われなくなったのは、19世紀になってから。
プルンクザールににも、地球儀と天球儀の模型がペアで展示されており、ヴェネツィア出身の有名な地球儀デザイナー、ヴィンチェンツォ・コロネリのもので、マリア・テレジアの夫であったフランツ・ステファンがフランスからウィーンに持ち込んだものだと言います。
オーストリア国立図書館の近くには、世界で唯一の地球儀博物館があり、オーストリア国立図書館の一部にもなっていますので興味のある方はチェックしてみましょう。
地球儀博物館(Globenmuseum)
- 月曜日:休館
- 火曜~水曜:午前10時~午後6時
- 木曜日:午前10時~午後9時
- 金~日:午前10時~午後6時
ウィーンから足を延ばしてお隣の国の首都ブラチスラバへも行くことができますのでぜひ旅行の計画を立ててみてくださいね。
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