ファクターXを探せ?!コロナ禍で見た日本とドイツの衛生概念の違い

ドイツの習慣・風習・イベント
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こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

あっという間に1か月は過ぎ、ドイツへ戻りました。

私が一時帰国を決行した「2020年秋・コロナ禍の日本一時帰国へ至るまでの覚悟とストーリー」で、多くの励ましやメッセージをいただきました。

とても感謝しています。

そして、ドイツに戻り、「日本一時帰国を決めた自分の決断は正しかった」と実感しました。

日本へ一時帰国して、リフレッシュできたし、完全にパワーチャージすることができたので、家族、友人、そしてこの機会を作ってくれた、はねうさ夫に感謝しています。

日本も第三波が来た!と、騒がしい毎日でしたが、ドイツは新規感染者数が日本とは桁違いで、現在もロックダウンは継続しています。

ドイツ=>日本一時帰国=>ドイツに戻り、コロナ禍での日本で驚いた事、考えたこと、感じたことをお伝えします。

ちなみに、こちらに書いている事は完全に個人的な見解ですのでご了承ください。

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どこにでもある消毒液!やっぱり日本人は清潔がお好き?

ドイツにも、スーパーやショップ、ロックダウン前はレストランにも消毒液がありましたが、その設置数には正直疑問に思っていた私。

と、いうのも、今年の夏にオランダへ行った時に、当時まだマスクが義務化されていなかったオランダは、ソーシャルディスタンスと消毒液(手指の消毒・咳エチケット)に非常に重きを置いている印象で、レストランの入り口、通路、トイレ等いたるところに消毒液が設置されていて、通りかかりでも食事で店内に入っても、好きな時に消毒液を使うことができました。

ところが、ドイツの現状はどうでしょうか?

日本一時帰国から戻って近所のスーパーへ行きました。

入り口に手指とカートの取っ手を拭く為の消毒液がしみ込んだウェット・ティッシュが設置されているのですが、中身は空っぽ・・・これじゃあ、消毒したくてもできません。

それだけ使っている人も多いという事で、良いことだとは思うのですが・・・。

日本で驚いたのは、お店、レストラン、カフェ、駅ビル、ホテル、タクシー、スーパーなどなど、ありとあらゆる場所に消毒液があり、消毒液が空になって使いたくても使えないなんて事には一度も遭遇しませんでした。

また、ポンプを触る必要のない自動噴射の消毒液容器が多かったです。

私の心の声としては、東京の人口と密度を考えたら、ドイツのド田舎のスーパーの消毒液くらい、すぐに補充しろよ!と言いたいですが、ドイツ人はこのキッチリした衛生管理を継続することは難しいのかな・・・とも思いました。

また、消毒液の使用率も、自分の前後に薬局やお店に入って行く人や出ていく人を観察しましたが、ほとんどの人が消毒液を使用していませんね・・・多く見積もっても50%くらいの使用率でしょうか??

日本はおそらくほぼ100%の使用率だと感じました。

私は、手が荒れやすいので、トイレに行って手を洗った後や何も触っていない場合には消毒液は使いませんでしたが、友人たちは店舗に入る前と後に手指を消毒していました。

レストランやカフェに入店する際には必ず検温がある日本

日本で、色々なレストラン、カフェ、美術館、そして温泉にも行きました。

一番初めに驚いたのは、池袋にある高級?中華レストランで友達とランチの約束をしてお店に入る時です。

お店の方に予約していた旨を話し、お店の中へ入ろうとすると「すみません、検温をお願いします。その後手の消毒もお願いします」と言われました。

この時、入国後初めてのレストランだったので「検温?!!」と驚いたのを覚えています。

しかし、ここは私も日本人、「あ。なるほどね~」と思い、検温を済ませました。

今回の日本滞在で行った飲食店のすべてで検温と手指の消毒がお店の入り口でありました。

検温は、おでこや手首で測る場合の2通りがあり、小さな白いハンマー型の検温器のパターンと、スマホ型のタブレットに顔を近づけて検温するパターンとありました。

検温+消毒を済ませないと、基本的に入店できませんし、もちろん発熱している場合には入店できません。

そういえば、話は少しそれますが、入国の際に検疫所で提出した書類は、14日間の自宅待機する宿泊場所管轄の保健所へ送られ、管轄の保健所から健康管理に関する連絡と報告を毎日行います、と聞いていたのですが、待てど暮らせど保健所からメールが来ない状態でした。

念のため、自主的に毎朝起きた後に検温していたのですが、入国5日後の夜20:00頃に電話が1度だけあったきりで、その電話で「明日の朝にはEメールを送らさせていただきますので、毎日の検温は続けてください」と言われたのですが、日本滞在中、1度もEメールは送られてきませんでした(笑)

ちょうど第三波で盛り上がってきたところだったようなので、非常にお忙しそうでした・・・ご苦労様です。(私はいたって健康・具合も悪くないので、どうぞ緊急を要する方を優先してください~)

ですので、これから日本一時帰国を検討している方は、体温計の準備をお忘れなく!(今はコンビニでも売ってます・・・さすが日本!)

ユニクロ入店時にも検温と消毒を促される

一時帰国で楽しみな事の一つにショッピングがありますよね。

日本に帰ってまで、ユニクロ?!と思うかもしれませんが・・・低価格なのに機能的、最近は有名デザイナーとのコラボ商品などもあり、ユニクロをチェックするのは日本一時帰国の定番となっています。

そのユニクロさん、結局購入したのは1か所でだけなのですが、場所によって置いてある商品も若干違うので、ふら~っと何軒が立ち寄ったのですが、ユニクロは、店舗に入る前に検温+消毒がありました。

タブレットに顔を近づけるタイプの検温方式でした。

いつもは、免税で購入できるユニクロで買い物するのですが、無人レジも設置されており、コンタクトレスで買い物できる安心感もあったので、通常通り買い物しました。

いやー、凄い徹底してるわ、日本。

※友人情報ですが、ディスニーランドも入園前検温と荷物チェックがあるそうです。

無人精算機やコンタクトレス決済が増えてきた日本

ドイツのレストランへ行くと、食事の後に配膳係の方にお会計をお願いし、その場で現金またはクレジットカードで支払いますが、まだまだ直接現金支払いが多いと感じます。

日本で、あるカフェに友人と行った時に、お会計の為、コーヒーカウンターまで伝票を持って行くと「自動レジでお願いします」と言われました。

「自動レジ?!」

これが凄くて、お会計伝票にQRコードがついており、レジの機械にそのQRコードをかざすと、お支払方法(現金かクレジットカードか、スイカ等の電子マネーか)を質問され、一括支払いか、別々支払いかを選択すると、それぞれの人がそれぞれの支払いができるというモノでした。

友人も、この無人会計機は初めてだったようで「すごーーーい!」を連発していた私達中年女性3人w

これをアメリカ人の友人に話したら「海外では食い逃げの原因になるから、日本だと成り立つのでは?」とあっさり言われてしまいました。

そうか~、なるほど~・・・ドイツでも別々支払いってよくあるからこのマシンをドイツにも!と思ったけど、ダメかあ・・・苦笑

トイレに必ず便座消毒がある日本は「清潔過ぎ」?!

日本の公衆トイレ、レストランのトイレなど自宅でないトイレに行くと必ず便座消毒用のスプレーや消毒液が設置されています。

これは、コロナになる前からある事だと思いますが、たまに設置されていないトイレもありました。

今回の日本一時帰国で使用したすべての公衆トイレとレストラン、カフェ、ホテルのトイレには便座消毒液が設置されていました。

このトイレの便座消毒液って、ドイツにはほとんど無いです・・・たまに空港やアウトバーンの休憩所などで便座を自動クリーニングする装置が備わっているトイレもありますが、稀です。

実は、私はコロナ騒動が起こる何年も前からこの便座消毒液なるものをマメに使用していました。(だからすごいぞ!っていう意味ではないのですが)

これには理由がありまして・・・10年程前にウイルス性の腹痛を起こしたことがあります。

簡単に言うと、食中毒ですね(笑)

会社の社員食堂でネギにアタリました・・・自分では食中毒を起こしたという自覚は無かったのですが、会社側が「この日のこの場所でネギを使ったおかずや料理を注文した人へ」というような案内を出し、同僚が「これ、はねうさぎさんのアタったやつじゃない?」と教えてくれたのです。

この時、おかなに来る風邪でも引いたかな・・・と、ぼんやり考えていたのですが、高熱の中、普段なら10分かかる医者までの道のりを歩くこともままならずに30分かけてようやくたどり着き、「先生、これ何なんですか?!」と質問したら「ウイルス性のものですね~特効薬はないので水分をたくさんとって安静にしていてください」とだけ言われました。

何のウイルスなのか知りたいからちゃんと検査してほしい、とお願いしたのですが、先生は、ウイルス検査は高額になるし、ウイルスって言うものは色々いて色々な症状を引き起こすから、検査は無駄だとおっしゃいました。

「ウイルスなんてもらった覚えないのですが、どうしてそんなことが起こるんでしょう?!」と医者に食いつくと、「ウイルスなんてどこにでもいますよ。トイレの便座で感染する人もいるくらいなんですから」と言われたのを機会に、必ず外出先のトイレを使用する時には消毒するようになりました。

この便座除菌に関しては、「やりすぎ」とか「潔癖すぎ」などと、その有用性についての議論もあるようです参照記事はこちら)。

因みに、この「食中毒」で私は会社を4日休み、1週間ほとんどまともに食べることができず、体重が減ったのを覚えています。

後に、会社側から、私のケースはこの時の「食中毒」に該当するとして、有給取り消しでお給料+お見舞金をいただきました(苦笑)

人が使用した後にキッチリ清掃・消毒する日本

今回、14日間の自宅待機の他、母親に「こっそり」会うために予約した地元のホテル、都内のホテル、伊豆へ温泉を楽しみに行った時のホテル、と3軒のホテルに宿泊しました。

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1つはチェーンホテルの「コンフォートホテル」さん、もう1つもチェーンホテルの「サンルートホテル」でしたが、2軒とも、朝食付きで、レストランへ行くと、マスク着用必須、検温、ビュッフェ用のビニール手袋を渡されました。

スタッフの行動をよ~く観察していると、宿泊客が着席した場所は、テーブルはもちろん、椅子の背もたれの部分までお客さんの使用後に1回ずつキッチリ消毒し拭き掃除していました。

やはりホテルは徹底していました・・・このご時世、売り上げに大打撃を受けていることは間違いありませんが、そんな中で感染者が出た、何ていうニュースにでもなったら死活問題ですから。

ビュッフェ用の手袋は、ドイツが1回目のロックダウン開けた夏に泊まったホテルでも同様の措置を取っている場所もありましたが、ご存知のように反発するはねうさ夫のような人間がいるので、ドイツは・・・やっぱり駄目ですね!(笑)

ドイツでは、レストランでも、きちんとメニューをその都度消毒したり、テーブルをきちんと拭いたりしていたのは見ていましたが、はやりドイツ人はだんだん適当になってくるし、面倒くさいことは正しいとわかっててもしない・したくない、というのが現実です。

ドイツ政府やメディアが一時、ドイツの医者で生化学者のアレクサンダー・ケクレ(Alexander S. Kekulé)教授「日本の衛生概念とコロナ対策が将来的にいいお手本になる」的なコメントを報道していましたが、まあ・・・難しいと思うんですよね、ドイツでは。

日本人の知人がドイツの飲食店で働いていますが、「店舗のスタッフは、始めはきちんとやるけどだんだん適当になり手抜きをするし、すぐグダグダ文句言い出すし・・・ドイツ人には全然無理でしょ!(笑)」と皮肉りながら大爆笑していました。

100円ショップのスタッフが買い物カゴをひとつずつ消毒

日本のスーパーやお店に消毒液が設置されている事は先ほども書きました。

設置されているだけでなく、ほとんどの日本人はキチンと消毒液を都度使用していました。

そして、私は目撃してしまいました・・・!

恵比寿のダイソー(100円ショップ)で、店員さんが、買い物かごを1つずつ消毒しているのを・・・!!

ドイツ人だったら絶対にしないだろうなあ・・・。

私が行くスーパーで、他人の様子を観察していますが、ドイツ人で入り口の消毒を使っている人のほとんどが手を拭くか、カートの持ち手を拭くかのどちらかで、カートを全部拭いて手も拭いている人は見たことが無いのです。

確かに、ドイツは日本よりも人件費が多いし、買い物かごを拭くだけのバイトさんなら東京ではすぐに見つけることができそうなものですが、合理性を追求する?!ドイツ人にとってはこれは「無駄」と捉えられるのでしょう。

私は思わず、そのカゴを消毒していた店員さんに「ご苦労様です・・・」と言ってしまいました。

いまだ不明な「ファクターX」日本は良くやってると思うし持ちこたえて欲しい

東アジアは欧米に比べて、死者数や重症化患者数が少ないですが、この理由はまだはっきりとはわかっていません。

この解明できていない要因、つまり「ファクターX」と呼ばれている「何か」。

この何かがわかれば新型コロナウイルスの対策や重症化を防ぎ・死者数を減らせるのではないかと言われているのですが、その説は色々とあります。

欧米もマスクは義務化してるケースが増えていますが、子供の頃の「給食当番」などでマスクのつけ方を知っている日本人は、電車の中でも外出先でも99%くらいの方がきちんと正しくマスクを着用していますし、今は無症状の人でも社会全体で着用する事が有益だという「ユニバーサルマスク」の考え方やエビデンスもあり、しっかりと感染対策をしている印象がありました。

友人は、日本は家の中で靴を脱ぐ習慣が大きいのでは?と言っていましたが、私が個人的に思っているのは、やはり言語と習慣の違いです。

ドイツでは「エアー・ハグ」などが流行っている反面、「もうこの茶番劇はやめにして今まで通りに過ごしたい」と考える人も多く、今までのように握手やハグをしている人も一定数います。

日本では、ボディコンタクトが習慣的にないですし、言語的にもあまり唾が飛ばない?!かなあと思ったりしていますw

日本人とドイツ人、どちらのグループでの会話を冷静に観察して思うのは、ドイツ人はやはり個々の主張があるので、話が感情的になることが多いです。(つまりもっと大声、もっと飛沫が・・・ってことかな)

さらに、日本人は夜寝る前にお風呂やシャワーをする習慣があるのも何か関係があるかなとも考えます。

私は、乾燥して汗をかかず超硬水でお肌や髪の毛が荒れるドイツでは、毎日シャンプーをしませんし、微妙な話しではありますがシャワーしない日もありますが、日本にいたときは1日2回お風呂に入っていました(苦笑)

変なところでドイツ化している自分・・・汗

先日、メルケル首相が必死に「お願いベース」でクリスマスや年末の集会に関して国民に訴えましたが実際は約半分のドイツ人が「禁止されてもクリスマスには家族や友人と会う」と回答しており、ずっと「お願いベース」でやってきた日本との差を感じます。(この記事中では53%のドイツ人がコロナ政策に賛成、45%が今の政策はやりすぎであると答えていることからドイツ人の意見もほぼ2つに割れているという事でしょう)

今回の一時帰国で、日本とドイツの良い面も悪い面、改めて浮き彫りになった部分など色々ありました。
ただ、日本が特にこれといった厳しい政策を取らず、「お願いベース」でもうまくいっている理由を私なりに観察したところ、日本と同じ戦略ではドイツの感染者数は減らすことができないのではないかと感じますし、日本は、ドイツのようにロックダウンのような強制力のある自粛要請とセットの経済的なサポートや保証はできないのではないかと思いました。
ご参考までに、専門ではありませんが、山中教授のコロナ情報発信サイトをご参考までに貼っておきます。
なんだかうまくまとまらなくなりましたが、2020年もあとわずかで終わりとなり、多くの人が新型コロナウイルスの影響を受けた大変な一年だったと思います。
1日でも早く平穏な日々が訪れることを祈りつつ、のこりの2020年を楽しく健康に気をつけながら過ごしたいと思っています。
※2020年12月17日追記
「ヨーロッパは、家族に会う頻度が多いからではないかと考えている」というコメントをいただきました。
確かに、はねうさ夫も義理両親にはほぼ毎週あっていますし、ドイツには、Stammtisch(シュタムティッシュ)と呼ばれる習慣もあります。
Stammtisch(シュタムティッシュ/スタムティッシュ)とは、「通常の会合」「定例会」などを意味するドイツ語で、大学、会社、趣味、友人同士など、気軽に仲間と集まってわいわいと楽しむ「定例のパーティー」の事で、「定例」なので、毎週金曜日、とか毎月第一土曜日、とか、木曜日の朝、などと集会の日がおおむね決まっています。
一方で、日本はどうでしょうか?
夏のお盆帰省シーズンも「自粛のお願い」で、家族に会っていない友人は沢山いますし、高齢の祖父母に考慮して移動を制限した生活を送る・・・などと聞きます。
ほぼ毎週、毎月、と会うドイツ人(欧米人)、またイースターや洗礼式、クリスマス等の宗教儀式が多いドイツでは、不特定多数および家族と集まる機会が日本よりたくさんある気がします。
このウイルスは移動だけでは感染リスクが高くないことが知られていますが、人との接触によりうつることが現時点で分かっていますので、もしかしたらこうした文化的な違いも要因のひとつかもしれません。
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