【ドイツ豆知識】ドイツの郷土料理ザウマーゲンとは?ザウマーゲンのディナーパーティーレポ

ドイツ生活
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こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

皆さん、「ザウマーゲン(Saumagen)」という食べ物を知っているでしょうか。

私は、ガイドブックなどで見たことはあれど、食べたことはありませんでした。

おそらく大抵の方は、ドイツ料理と言われて思い浮かべるのは、ソーセージやアイスバイン、シュニッツェルなどだと思います。

お料理の大好きな義理母が、近所のレストランのシェフがザウマーゲンを食べたことが無いと聞きつけ、「レストランのシェフなのに、ザウマーゲンを食べたことがないなんて信じられない!私が作るから食べに来て!」と、ディナーパーティーを開いたので、私も参加させてもらうことにしました。

(これもまたスゴイ理由ですが・・・)

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ザウマーゲン(Saumagen)って何?

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Photo: Lecker.de

ドイツ西部のフランクフルト近郊のマインツより南、フランス国境あたりまでをプファルツ地方といいますが、ザウマーゲンとは、そのプファルツ地方の郷土料理で、豚の胃袋を使った太いソーセージのようなもの。

腸詰ではなくて胃袋に詰め物をするんですね。

そして、ご想像の通り、形はけっこうグロイです。

豚の胃袋の中に豚肉のひき肉、ハム、角切りのジャガイモ、スパイス、塩等を詰めた極太ソーセージのようなもので、たっぷりのお湯で約2時間半、弱火で茹でて出来上がりです。

ザウマーゲンを食す際には、茹で上がったものを厚めに切って食べるか、または、冷めたものを厚めにスライスし、両面をプライパンでカリッとするまで焼いて食べます。

※胃袋になっている、いわゆる「皮」の部分は食べません。

付け合わせには、ザワークラウトと玉ねぎを炒めたもの(またはザワークラウトのみ)と、ドイツの黒パンもしくはマッシュポテトを添えるのが定番らしいです。

「豚の胃袋」という意味のザウマーゲンは、日本人だけでなく、一般的なドイツ人が聞いても「ぐぇ?!豚の胃袋?!」という、若干食欲を損なうネーミングなのですが、実際に食べてみたらおいしかったです。

Magen(マーゲン)とはドイツ語で胃という意味で、豚は一般的にはSchwein(シュヴァイン)というのですが、Sauというのは雌豚を意味するスラング?のようなものらしいです。

義理母バージョンは、詰め物の中に栗が入っていました。(実際に現地でも栗を入れたザウマーゲンもあるようです)

この栗が良い味を出していて、普通のソーセージよりかは若干上品な感じがして、ザワークラウトと黒パンとの相性抜群でした!

また、プファルツ地方はワインの産地としても知られています。

私の住んでいる地域もワインの産地なので、もちろん白ワインと合わせていただきました。

皆は、「ザウマーゲンと白ワインの相性が良い!」と言っていたけど、個人的には赤ワインの方が合いそうな気がしました。

もちろん、ワインはお好みで!

そして、私の住んでいる地域では、この豚の胃袋というのがなかなか手に入らないらしく、義理母はインターネットで購入。

しかし、豚の胃袋までネットで買える時代になったとは、すごいものです。

ドイツ料理と言えばザウマーゲン!というほど有名になった理由とは

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このザウマーゲンがドイツの郷土料理として有名になったのには、理由があります。

ザウマーゲンは、1982から1998年まで16年間にわたって首相を務めたヘルムート・コール(Helmut Josef Michael Kohl)元首相がこよなく愛した郷土料理として知られているのです。

ラインラント=プファルツ州は、コール元首相の出身地です。

そして、戦後最長記録の16年にわたってドイツ連邦の首相を務めたヘルムート・コール氏の功績として最も知られているのは、関係各国との外交関係の強化、そして東西ドイツの再統一です。

「東西ドイツの再統一の父」とも言えるコール元首は、時の人となり、積極的に各国の関係者たちを自分の故郷に招待し、ザウマーゲンをふるまったことで知られています。

私はこの話をはねうさ夫から何度も聞かされました・・・私の勝手な想像ですが、「食欲を全くそそられないネーミングの郷土料理を各国首相らにふるまった、という郷土愛的なものが、ドイツ人にとっては誇らしいのではないかしら?」と感じます。

元コール首相に招かれてザウマーゲンを味わったのは、サッチャー英国元首相、シラク仏元大統領、エリザベス二世、ゴルバチョフソ連元大統領、ハヴェル・チェコ元大統領、エリツィン・ロシア元大統領、マルルーニー・カナダ元首相、クエール元米副大統領などなど、各国のキーパーソン達。

ちなみに、現首相のメルケル首相は、ドイツ北部の港町であるハンブルク生まれのブランデルク州テンプリン育ちで、ハンバーグのようなブレッテン、塩漬け燻製豚バラ肉ローストが出身地の郷土料理として知られています。

日本で味わう各都道府県の郷土料理が味わい深いのと同じで、ドイツ国内でも様々な地域の郷土料理があり、まだあまりドイツ国内を旅行していない私としては、いろんな地域の食事は興味があるところです。

来月末からはサマータイムも始まるので、温かくなったら小旅行に行ってみたいなあと思っている今日この頃です。

ドイツに住んでいる方も、ドイツ旅行を検討している方も、是非ザウマーゲンを味わってみてください!

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