ドイツの一部の州だけ祝日になる「聖体祭(Fronleichnam)」はどんなお祭り?

ドイツの習慣・風習・イベント
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こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。

2021年も6月に突入しました。

アッと言う間に今年も半年が終了してしまいましたね・・・orz

さて、今週の木曜日、バイエルン州は「聖体の祝日(Fronleichnam)」または「聖体祭」と呼ばれるキリスト教関連の休日です。

以前も何度か色々なドイツの祝日に関して記事にしたことがありますが、ドイツは連邦制を取っていますので、「ドイツ全土の祝日」もあれば「特定の州で定められた祝日」と言うものがあり、私の住んでいるバイエルン州が一番祝日が多いと言われています。

さて、「聖体の祝日(Fronleichnam)」とは何なのでしょうか?そして、この祝日では何が行われ、ドイツ人は何をするのでしょうか?

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「聖体の祝日(独:Fronleichnam/英:Corpus Christi)」とは?

聖体節については、あの有名な「最後の晩餐」で、イエス・キリストは「パンは私の体、ワインは私の血と思って喫しなさい」と述べ、弟子達にパンと赤ワインを少しづつ与えたことが由来とされています。

キリスト教では、これにちなんで霊魂の糧とするために、パン(聖餅と言われるおせんべいのようなモノ・・・以前超カトリックの友人たちの結婚式であの「おせんべい」を食べてしまって複雑な気分になった事が・・・汗)とワインを喫する儀式を、イエスの体「聖体」の受容、つまり「聖体拝領」としているそうです。

なんだか難しいコトバ・・・w

聖体拝領自体は日常的に行われますが、特に意義を強調するため、復活祭から50日目の日曜日(聖霊降臨日)の次の木曜日と定められており、復活祭(イースター)が「春分後の初満月後の日曜」と決められているため、復活祭(イースター)と連動して、この「聖体の祝日」も毎年変動します。

「聖体の祝日」の語源は、このお祭りのドイツ語名である「Fronleichnam(フロンライヒナム)」は、「vronlicham」というドイツ語に由来していると言われています。

「vron」は、「主」と言う意味を表し、「lord」 と「licham」は「体」を意味し、直訳すると「神の体」という意味です。

英語名の「Corpus Christi」はラテン語に由来しており、ドイツ語と同じ「キリストの体」という意味を持っています。

さすが?!英語とドイツ語は従弟言葉と言われるだけの事はあって、これは想像が付きやすいです!

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「聖体の祝日」はいつ?ドイツのどの州が祝日になるの?

聖体祭(Fronleichnam)とは、キリスト教・カトリックの宗教行事とされている為、ドイツ国内でもカトリック教徒の多い州が祝日となります。

また、基本的にカトリック国のブラジルなどの南米の一部の国や、オーストリア、クロアチア、ポーランド等も祝日となるようです。

ドイツでは、バイエルン、バーデン・ヴュルテンベルク、ヘッセン、ノルトライン・ヴェストファーレン、ラインラント・プファルツ、ザールラント州の6州で祝日となります。

また、ザクセン州とテューリンゲン州のいくつかの自治体で祝日となります。(はい、ドイツでは市町村ごとに祝日が違う事があります・・・「うちの〇〇市はカトリックが多いから祝日に・・・」なんてことがあるのです)

聖体祭は、復活祭から50日目の日曜日(聖霊降臨日)の次の木曜日と定められており、移動祝祭日扱いとなります。

聖体の祝日は、三位一体の主日の後の木曜日に、また国によってはその後の日曜日に祝われる。

とのことです。

三位一体とは、キリスト教において 父・子・霊 の三つが「一体」であるとする教えの事。

復活祭(イースター)は、毎年変動することは過去の記事でも書きましたので、イースターに関連するキリスト教系のイベントは、全て毎年変動することとなります。

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ドイツでの「聖体の祝日(Fronleichnam)の祝い方

PHOTO BY JAY NIES
参照:catholicmissourianonline.com

はねうさ夫が、「今週は木曜日祝日だから仕事の稼働日が少ない」と話しだしました。

ですので、「じゃあ、Fronleichnamってドイツ人は普通何するの?」と質問してみました。

「ぼくの父親は毎年教会へ行ってたけど(私の義理父はカトリック、義理母はプロテスタントです)・・・去年からマスクしなきゃいけないし、マスク嫌だから家にいるみたい。特に変わったことはしないよ。例年であれば『プロセッシオ~ン』があるけど・・・今年はどうなんだろう?!」

「プロセッシオ~ン?」・・・Prozessionと記載するらしいです。

英語と本来の意味が同じ課はわかりませんが、procession(プロセッション)は行列やパレードのような行進?のイメージなので、「ふうむ・・・」と思って調べてみました(参照:https://www.iamexpat.de)。

ドイツでは、各地で様々な形で「Fronleichnam」を祝います。

最も一般的なのは、聖母マリアや聖人の像、装飾された紋章などを教区民が担いで街中を練り歩くことでです。聖職者とそれに準ずる人々は天蓋の下、祝福された聖餐を携えて行列を先導します。

白い服を着た子供たち、その地元を特徴づける(民族・地域)衣装を着た大人たちが行列行進をし、道を練り歩きます。

また、ドイツの一部の地方では、「Fronleichnam」は今でも中世から伝わるそれぞれの伝統的な方法で祝われています。

例えば、ケルンの行進では、聖職者は、キリストの体として崇拝されたホストとともに、100以上の聖体顕示台を運びながら道を練り歩きます。

ケルンの「教区」のサイトを調べてみましたが、かなり規模が大きくて驚きました!

ただし、今年2021年は残念ながらコロナ禍で行列は中止とのことです。

他の地域では、規模は小さいながら伝統的なバイエルン州のバンベルクのProzessionでは、18人の男性が大きな十字架を持って街中を練り歩くことで有名です。(写真以下イメージ)

参照:schickrobert.blogspot.com

北ヘッセン州では、前夜から8つの大聖堂の鐘が鳴らされ、大砲が3回発射される「Katzenkoppschießen」と呼ばれる伝統行事が行われるそうです。(写真以下イメージ)

参照:www.katholische-kirche-fritzlar.de

黒い森やシュヴェービッシェ・アルブ(Schwäbische Alb)地域では、生花で作られた絨毯が行列のルートに並び、中には1.000メートル近い長さのものもあるそうです。(以下写真イメージ)

参照:https://www.swp.de

「聖体の祝日(Fronleichnam)」の持つ意味はイエスを敬うこと以外にもあるのか?!

この「聖体の祝日(Fronleichnam)」のお祭り風?!の外向的で大げさな行列を行う理由としては、プロテスタントにカトリックの素晴らしさを示すという政治的動機があったとも考えられているそうです。

ローマ・カトリック教会から分離しプロテスタントが誕生した宗教改革の中心人物であったマルティン・ルター(何かの教科書で習いましたよね!?w)は、聖具を使った行列は神への冒涜であり、偶像崇拝であり、キリストの秩序と確立に抵触すると考えており、「聖体の祝日(Fronleichnam)」に対して何度も発言し、「最も恥ずべき祭り」と言及したそうです。

カトリックとプロテスタント・・・昔はその派閥というか宗派の違いから紛争や戦争も怒っていますよね(怖い怖い!)

その後、ナチスドイツのの時代には、世俗的な国家の支配者に対する受動的な抵抗の手段としても使われたという事です。

この伝統は今日でも引き継がれており、これらのパレード/行列は、宗教というものが、私的な領域と同様に公的な領域に属していることを指摘するためのものなのかもしれません。

ドイツとキリスト教のつながりは深い・・・・・・私にはなかなか理解が難しいですが、ドイツで生活する上でキリスト教の考え方を理解していると、ドイツ人と接しやすくなる(相手を理解しやすくなる?)ような気がしています。

今回はドイツのマメ知識的な要素が大きくなりましたが、来年はチャンスがあればこの行列を見に行ってみたいと思います^^

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