【ロマンティック街道】ヴァイカースハイム城(宮殿)と庭園|行き方・見どころ徹底ガイド

ドイツのロマンチック街道ヴァーカスハイム城・宮殿ガイド

こんにちは!はねうさぎ(@haneusagi_com)です。

バーデン=ヴュルテンベルク州にあるヴァイカースハイム宮殿は、中世から続く名門貴族ホーエンローエ家発祥の地として知られ、ロマンチック街道の見どころの一つです。

かつてはフォアバッハ川沿いの水城として築かれ、現在は保存状態の良いバロック様式の宮殿へと改築されています。

豪華な「騎士の間」や美しいバロック庭園は必見で、英国王室とも縁のある歴史背景が旅情を一層引き立てます。

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目次

Weikersheim(ヴァイカースハイム)とは?ロマンティック街道の小さな宝石

ヴァイカースハイムのマルクトにあるお花で飾られた噴水
ヴァイカースハイムのマルクトにあるお花で飾られた噴水 ©haneusagi.com

ヴァイカースハイム(Weikersheim)は、ドイツ南部バーデン=ヴュルテンベルク州に位置する小さな町で、ロマンティック街道沿いにあります。

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ロマンチック街道の街は、全部で29ヵ所

観光客で賑わうローテンブルクやディンケルスビュールとは対照的に、静かで落ち着いた雰囲気が漂う場所。

この街の最大の魅力は、保存状態の良いバロック様式の宮殿と、美しいバロック庭園です。

ヴァ-カイスハイム城壁側からマルクト広場と聖ゲオルグ教会をのぞむ
城壁側からマルクト広場と聖ゲオルグ教会をのぞむ ©haneusagi.com

私が訪れたのは夏の晴れた日で、青空という素晴らしいコンディションでしたが暑かったです。

ロマンティック街道らしいのどかな風景の中に、優雅な宮殿と整形式庭園が現れる瞬間は思わず息をのむ美しさでした。

ヴァイカースハイム城の歴史と特徴

ヴァイカースハイムのマルクト広場から宮殿に向かって歩くと城壁と城門がみえてくる
マルクト広場から宮殿に向かって歩くと城壁と城門がみえてくる ©haneusagi.com

お城・宮殿の起源は12世紀、ホーエンローエ家がこの地に城を築いたことに始まります。

ホーエンローエ家はヨーロッパ王族との縁が深く、英国エリザベス女王の夫フィリップ殿下とも血縁関係がある由緒ある家系。

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とても由緒ある家系でビックリ!

16世紀末にはルネサンス様式の宮殿へと改築され、その後17世紀にバロック様式へと大規模な改装が行われました。

Schloss Weikersheim
ヴァーカスハイムの塔 ©haneusagi.com

現在の宮殿と庭園は、その華やかな時代の姿を色濃く残しており、戦争で破壊されることなく「保存状態が非常に良い宮殿」としても知られています。

ドイツ語の公認ガイドツアーで入れる内部には、当時の家具、絵画、タペストリー、シャンデリアなどのオリジナルがそのまま残されており、まるで領主の生活が今も続いているかのような錯覚を覚えます。

特に「騎士の広間(Rittersaal)」と呼ばれる大広間は必見

ヴァーカスハイム城の騎士の広間(Rittersaal)の天井画
圧巻の騎士の広間(Rittersaal)は必見! ©haneusagi.com

壁面には等身大の騎士像がずらりと並び、それぞれ異なる装備や表情で武勇を物語っています。

とてもユニークな唯一無二の壁一面の彫刻や天井画、デザイン、巨大なシャンデリアが圧巻でした。

宮殿内部はツアーでのみ見学可能!時間には余裕をもって

騎士の広間から見える青空が美しい
騎士の広間から見える青空が美しい ©haneusagi.com

ヴァイカースハイム宮殿の内部は、自由見学ではなくガイドツアー形式のみです。

ツアーの所要時間は、約60分の小ツアーと80分の大ツアーがあり、それぞれ価格が違います。

ガイドツアーはドイツ語でしたが、受付で英語の解説シートを渡してくれるので、言語が不安でも安心です(日本語版は現在作成中とのこと)。

ただ、ドイツ語のガイドさんが話しながらの最中に英語の文字を読んでいくのが結構しんどかったです…特に中世や城の家族の歴史など専門用語も多かったです。

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ツアーはドイツ語オンリーでした。日本語を希望する場合には旅行代理店や地元の日本人ツアーガイドさんに依頼しましょう。

見学中は部屋ごとに詳しい説明があり、歴史や建築の背景を知りながら進むことができます。

写真撮影は殆どの場所・部屋で許可されていましたが、ツアーを妨げない程度に、とのことでした。

ツアーの主な見どころ

城内ツアーでは、黄金装飾が輝く「黄金の間」、重厚なバロック様式の居住空間、優美なロココ様式の社交室など、時代ごとに異なる華やかな部屋を巡ります。

細部まで施された装飾や歴史的家具から、貴族の優雅な暮らしぶりが垣間見えます。

黄金の間(Güldene Gehema)

ヴァイカースハイム城の「黄金の間」 ©haneusagi.com

ヴァイカースハイム城の中でも最も豪華な部屋の一つで、その名は漆喰装飾にふんだんに施された金箔に由来しています。

18世紀初頭に建てられ、バロックの優雅さと贅沢な装飾が融合し、ホーエンローエ侯爵の格式高い謁見や応接の場として使われていました。

グライヘンツィマー「対称の間」(Gleichenzimmer

写真右横にみえるのは個室トイレ(Kloset)。室内に設置されているのは当時としては珍しい ©haneusagi.com

17世紀末に造られた豪華な天井装飾が特徴の部屋で、天井には立体的に表現されたローマ兵士の姿が描かれています。

レリーフのように大きくせり出した細工は迫力満点で、職人技の高さを感じさせます。

また、壁際には隠し部屋のような小部屋があり、中には当時のトイレ(Kloset)が残されており、とても興味深いです。

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ガイドさん曰く、当時伯爵公がトイレで用を足すときは扉は開け鼻たれ、その様子を使いの者たちが見ていなければいけなかったのだとか(((;゚Д゚)) 現在とは全く違った価値観ですね。

礼拝堂

ヴァイカースハイム城の中の古い礼拝堂
ヴァイカースハイム城の中の古い礼拝堂はとても神秘的 ©haneusagi.com

ヴルフガング伯爵は、宗教改革の思想に強く共鳴し、ヴァイカースハイム城を中心にプロテスタント文化を広めた熱心な信徒だったと言います。

礼拝堂は白を基調とした優雅な空間で、黒い柱と金彩装飾がアクセントになっています。祭壇前にはシンプルながらも格式を感じさせる説教壇と十字架が配置され、落ち着いた雰囲気でとても神秘的な空間でした。

二階回廊には精緻なレリーフが連なり、旧約聖書や戦勝場面など歴史的モチーフが描かれています。

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現在でも結婚式やその他の宗教イベントで使用されているそうです。

騎士の広間(Rittersaal

騎士の間の巨大なシャンデリアや装飾
騎士の間の巨大なシャンデリアや装飾はユニークなデザインで興味深い ©haneusagi.com

ヴォルフガング伯爵が1605年に完成させた壮大なホール。長さ36m、高さ8mを超える二階分の空間は、支柱を使わない吊り屋根構造で圧巻の開放感です。

三層構想暖炉の中央には伯爵のモットー「神は幸運を授ける」が刻まれ、周囲には「理想の統治者の七つの美徳」を表す錨、心臓、本を噛む蛇、折れた柱、剣、兵士の兜などの装飾が並びます。

狩猟シーンや家系図の壁画、大きなシャンデリアも見どころです。

貴族の居住空間

ヴァイカースハイム城の居室エリアのダイニングルーム
ヴァイカースハイム城の居室エリアのダイニングルーム ©haneusagi.com

ヴァイカースハイム城では、ダイニングルームを境に建築様式が切り替わるという珍しい構成が見られます。

城の一方のエリアには、重厚で荘厳な雰囲気を持つバロック様式の居住空間が広がり、濃い色調の壁面装飾や象徴画、タペストリーが訪れる人を圧倒します。

壁を飾るタペストリーは、当時のフランクフルト交易市(フランクフルトメッセ)で買い付けられた逸品
壁を飾るタペストリーは、当時のフランクフルト交易市(フランクフルトメッセ)で買い付けられた逸品とのこと ©haneusagi

一方、ダイニングルームを抜けた先には、明るく軽やかなロココ様式のティールームなどが登場。

繊細な漆喰細工や淡い色彩の家具、優雅なカーブを描く装飾が、18世紀貴族の優美な暮らしを感じさせます。

この「重厚」と「優美」の対比は、城内ツアーの大きな見どころのひとつです。

宮殿裏に広がる美しいバロック庭園

ヴァイカースハイム城と庭園
ヴァイカースハイム城と庭園 ©haneusagi.com

ツアー終了後(または開始前)は、宮殿の裏に広がる庭園へ。

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私たちはツアー開始前に30分ほど時間があったので、始めに庭園を散策しました❤

この庭園は17世紀に整備されたバロック様式の整形式庭園で、左右対称のデザインが特徴です。

幾何学模様の花壇や芝生、一直線に延びる並木道、神話をテーマにした彫像が整然と配置され、どこを切り取っても絵になります。

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庭園に出る前に、城と庭園の模型や資料を紹介する小展示もありました。

ヴァイカースハイム城の美しいバロック庭園
ヴァイカースハイム城の美しいバロック庭園 ©haneusagi.com

春から夏は色とりどりの花々が咲き誇り、秋には紅葉、冬は雪景色と、四季折々の魅力が楽しめます。

また庭園のみの入場も有料ですが、広々としていてお手入れも行き届いているので、混雑することが少ないため、ゆったりと散策できます。

庭園奥のおオランジェリー前では結婚式のレセプションの準備も
結婚式のレセプションの準備がされていました ©haneusagi.com

庭園の奥にある「オランジェリー」と呼ばれる冬の間に植物を守る温室のような役割をしていた場所は、現在では植物はなく、結婚式やなどのプライベートイベントで貸し切りパーティを開くことができます。

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実際に私たちが行った日には結婚式のセットアップ準備が行われており、とても素敵でした❤

Weikersheimへのアクセス方法

Weikersheimのマルクトと教会を橋の上から臨む
Weikersheimのマルクトと教会を橋の上から臨む ©haneusagi.com

車でのアクセス

  • ローテンブルクから:約45分
  • ヴュルツブルクから:約1時間
  • ニュルンベルクから:約2時間
  • フランクフルトから:約2時間
  • シュトゥットガルトから:約2時間40分
  • ミュンヘンから:約3時間半

宮殿の近くに有料駐車場(P Schloss Weikersheim)があり、庭園や宮殿の入口まで徒歩すぐです。

鉄道でのアクセス

最寄り駅はWeikersheim駅で、駅から宮殿までは徒歩約10分です。

最新の時刻や運賃はドイツ鉄道公式サイトまたはアプリで確認できます。

  • フランクフルト発
    ルート:ICEでヴュルツブルク(約1時間30分)、ローカル線でラウダ(Lauda)経由Weikersheim
    所要時間:約3時間
    料金目安:片道約35〜50ユーロ(早割「Sparpreis」利用でさらに安く)
  • ニュルンベルク発
    ルート:ICEまたはREでヴュルツブルク(約1時間)、ローカル線でラウダ経由Weikersheim
    所要時間:約2時間30分
    料金目安:片道約25〜40ユーロ
  • ヴュルツブルク発
    ルート:ローカル線でラウダ経由Weikersheim
    所要時間:約1時間
    料金目安:片道約12〜20ユーロ
  • ミュンヘン発
    ルート:ICEでヴュルツブルク(約2時間)、ローカル線でラウダ経由Weikersheim
    所要時間:約3時間半
    料金目安:片道約40〜60ユーロ

周辺のロマンチック街道の見どころと合わせて楽しむ

ロマンチック街道バート・メルゲントハイム(Bad Mergentheim)のマルクト広場
ロマンチック街道の街、バート・メルゲントハイム(Bad Mergentheim)のマルクト広場 ©haneusagi.com

ヴァイカースハイムは、ロマンティック街道の中でも比較的静かなスポットなので、周辺観光と組み合わせるのもおすすめです。

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旧市街地やマルクトもかなりこじんまりとしています…

たとえば、ヴァイカースハイム城の観光を楽しんだあとは、ロマンティック街道の人気都市 ローテンブルク へ足を延ばすのもおすすめです。

比較的近くて同日に観光できそうな場所は以下:

  • ローテンブルク・オプ・デア・タウバー(車で約45分)
  • バート・メルゲントハイム(車で約20分)
  • ディンケルスビュール(車で約1時間)

実際に訪れて感じたこと&旅行のヒント

ヴァイカースハイム城を庭園から臨む
ヴァイカースハイム城 ©haneusagi.com
  • 宮殿も庭園も観光客が少なく、静かに見学できる穴場スポット
  • ツアーの開始時間が決まっているため、事前に公式サイトで確認してから行くと安心(1時間毎)
  • 英語解説シートはわかりやすいが、建築や歴史に詳しい方は事前に予習しておくとさらに楽しめる
  • 庭園は季節ごとや時間ごとに違う表情を見せるので、再訪の価値あり
はねうさぎ

ローテンブルクやディンケルスビュールに比べると、街もこじんまりとしていて、見どころハイライトはヴァイカースハイム城と庭園なので、かなり穴場です!

まとめ

観光客も多すぎず、ゆっくりと見て回れる広大な敷地のヴァーカスハイム城と庭園
観光客も多すぎず、ゆっくりと見て回れる広大な敷地 ©haneusagi.com

ヴァイカースハイム宮殿は、ロマンティック街道沿いでも観光地化されすぎていない静かな場所で、歴史的建築と美しい庭園をじっくり楽しめる貴重なスポットです。

はねうさぎ

特に在独の方やヨーロッパ在住でドイツをゆっくり回れる方におすすめ!

車でも鉄道でもアクセス可能なので、大きな町からの日帰り旅行にも組み込みやすく、ローテンブルクやバート・メルゲントハイムと合わせた観光ルートにも最適。

歴史、建築、美しい景観が好きな方には、必ず訪れてほしいおすすめの街です。

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この記事を書いた人

旅行、おいしいもの・ワインが大好きのドイツ在住40代。旅行、デザイン&アート、国際結婚ネタ、語学学習(英語・ドイツ語)のヒントをお届けします。20代後半にアメリカでインターン経験。現在はフリーランス翻訳家。ひょんなことから2017年7月11日より南ドイツ在住。干支と小動物風な行動により、幼少時に父親から「うさ」と呼ばれて育つ。その最愛の父は2021年に他界。気ままに書いてます~
プロフィール詳細は「はねうさぎ」をクリックしてね!
★TabiTabiさんに寄稿した「旅行記」
https://tabi-two.com/posts/9

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