ドイツに着いたらまず一杯!ドイツビール好きのための豆知識とドイツ語

ドイツの習慣・風習・イベント
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こんにちは!はねうさぎです(@haneusagi_com)です。

ドイツに住んでいると言うと、「ドイツビール美味しいよね!」から始まりドイツの事やドイツビールに関する質問を受けることが良くあります。

ちなみに、私はビールのメッカ?!とも言える、バイエルン州在住。

今回は、ドイツビールの豆知識をお伝えするとともに、「ドイツと言えばやっぱりビールでしょ!」というビール好きの皆さんのために、ビールを飲みながら使えるビールに関するドイツ語をお伝えします。

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【結論】ドイツ人はやっぱりビールが大好き!

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ドイツビールについてお話しする前に、ドイツ人とビールの関係について少しお話します。

ドイツ人がビール大好きなのは、まぎれもない事実。

実は、ドイツでは3000年以上のビールの歴史があります。

日本だと・・・・縄文時代?!でしょうか。

ローマ人が来るよりも先にビールを製造、飲酒していたとされ、ドイツ南部のクルムバッハ近郊で、当時上流階級のゲルマン人埋葬地からビールジョッキが発見されています。

「ドイツでは、約1,300か所の醸造所で7,000種類以上のビールが生産されている」と聞いても、おそらく驚くことではないでしょう。

そのうちドイツ全土のおよそ半数の600以上の醸造所がバイエルン州にあり、バイエルン州の首都ミュンヘンでは世界的に有名な「オクトーバーフェスト」と呼ばれるビールの祭典が毎年開催されます。

ドイツでは、ビールは通常、食事とともに飲む事が多いですが、友人たちとバーやパブで軽く塩味のついた「ブレッツェル」と一緒に飲む事もあれば、日曜日の教会のミサ帰りに一杯・・・なんていうご老人もいらっしゃいます。

以前、朝8時前にドイツ鉄道の長距離電車に乗った時に、前列の席に座っていた男性二人がすでに(いや、まだ?!)ビールを飲んでいた光景を目にした時には驚きました。

教会のミサは正午前に終わりますので、朝の11時くらいからビールを飲み始めることはドイツ人にとって全く違和感がないようで、ビールを飲む習慣は、夜だけとは限らないのもドイツなのです。

一方で、ドイツでは、ビールだけでなく他の飲み物を飲む習慣もあり、ヘルシーコンシャスな生活習慣の人気、また、若者のビール離れやそもそも少子化で若者が少なくなっていること等様々な理由により、ビール消費量が年々減っています。

さて、そのビールで有名な南ドイツですが、なぜそこまでバイエルン州に特徴的かつ伝統的なビールが多いのでしょうか。

それは、歴史と大きく関係しており、現在のバイエルン州がバイエルン王国だった時代までさかのぼります。
1516年にバイエルン王国のウィリアム4世によって、ヨーロッパ初の食品に関する条令と言われているものが可決されました。

「ビール純粋令(Reinheitsgebot)」です。

現在まで引き継がれているこの法律によると、「ビールを製造する過程で使用できる原材料は、大麦、麦芽、ホップ、水のみを許可する」と規定されています。

つまり、ドイツでは、大麦、麦芽、ホップ、水以外の材料をビールに使用してはいけないのです。
この醸造に関する科学的な手法や知識が、真剣でまじめで頑固な?!ドイツ人たちによって受け継がれたため、現在でも、中世のレシピそのままのビールを味わうことができるのです。

「ドイツで本場のビールを飲みたい!」を思っているあなたは、必ずバイエルン州に立ち寄った方が良いですね!

時間が無い方はミュンヘンだけでも良いと思いますが、ミュンヘン以外にも、「ビアフランケン」と呼ばれるバエルン州の北地域には、伝統的なビールで有名な街のエアランゲン、バンベルグ、ニュルンベルク、バイロイト等がありますので、ぜひご当地ビールを堪能してください。

ちなみに、世界的に見たビールの1人当たりの消費量は、ドイツではなくチェコ共和国がダントツで首位をキープし続けています。

オリジナルのバドワイザーをはじめ、チェコのビールもとっても美味しいですよね!

ドイツビールの発酵方法は?ビールの味を決めるカギ:上面発酵と下面発酵とは

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ビールの味を決める要素はいくつかあります。

味わい、コク、苦味、刺激、香り、泡、色、輝き等があげられます。

最近は「のどごし」なんて言葉もありますね^^

ビールにはさまざまな種類がありますから、これらの要素がすべてのビールに共通してあるわけではありません。

少し専門的な言葉になりますが、何となくビールには「上面発酵」とか「下面発酵」と言う言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

これは、ビールの製造方法の違いなのですが、正確には、使用する酵母の違いで醸造プロセスが違います。

●上面発酵ビール
15~20℃くらいの常温で短時間発酵させ、発酵が進むと麦汁の上部に酵母が浮き上がる性質の酵母を使ったビールのこと。

代表的な上面発酵酵母を使ったビールとして、アルト、ペールエール、スタウト、ヴァイツェンビールがあげられます。

●下面発酵ビール
低温の約5~10℃で長時間発酵させ、発酵が進むとタンクの底の方に沈降していく酵母を使って醸造されます。

日本のビールの多くは下面発酵酵母を使用し、長時間発酵させて醸造しているため、「下面発酵ビール」と言えます。

下面発酵ビールの代表例として、ピルスナー、ミュンヘナーなどがありますが、これらは「ラガービール」の総称です。

日本のビールもおいしいですが、ほとんどのビールが下面発酵のラガービールなので、ドイツへ来てビールを飲むと「日本と違った味わいの美味しいビールにありつける!」と感じる方もいらっしゃると思います。

ビールにまつわるドイツ語を知って楽しく飲もう!

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せっかくドイツに来たから飲みたいのは、やはりご当地ビールですよね。

ドイツ語で「乾杯!」は、「Prost!(プロースト!)」

生ビールは、ドイツ語で「vom Fass(フォmファス)」とメニューに記載されています
※m = ンとムの間の発音

近年、ドイツ国内では英語が通じる場所が多くなっていますが、バイエルン州の田舎のビール工房に行くとあまり英語が通じないこともあるので、せめてメニューの表記だけでもドイツ語で読めると、ぐっとドイツビールに対する理解が深まりますよ。

カタカナドイツ語は危険ですが、あくまで発音のご参考として表記しています。

●ビールの色に関するドイツ語

明るい色を意味する「Hell(ヘル)」から、暗い色を意味する「Dunkel(ドュンケル)」まで。

・hellgelb(ヘルゲルプ)淡い黄色
・goldgelb(ゴルトゲルプ)金色がかった山吹色
・dunkelgelb(ドュンケルゲルプ)濃い黄色
・goldbraun(ゴルトブラウン)黄金色
・hellbraun(ヘルブラウン)薄い茶色
・dunkelbraun(ドュンケルブラウン)暗い茶褐色
・schwarz(シュヴァルツ)黒色

●ビールに関するその他のドイツ語

・der Schaum(シャウム):泡
・feinporig(ファインポーリッヒ):きめが細かい
・fruchtig(フルフティッヒ):フルーティー
・herb(ヘァプ):ポップの効いたほろ苦さと奥行きのある味
・süffig(ズフィッヒ):軽くて少し甘みがあり飲みやすい味
・ausgewogenen(アウスゲヴォーゲン):バランスが良い味わい

Das Bier hat viel Schaum.
このビールは泡が多い。

Der Schaum ist feinporig.
この泡はきめが細かい。

Das Bier hat einen fruchtigen Geschmack.
このビールはフルーティーだ。

Das Bier ist herb.
このビールはホップが効いた辛口だ。

Das Bier ist nicht bitter im Abgang.
このビールは後味に苦味が無い。

Das Bier ist süffig.
このビールは軽くて飲みやすい。

Es hat einen ausgewogenen Geschmack.
バランスの良い味わいだ。

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ドイツビールの種類を知れば自分好みのビールを注文できる

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代表的なドイツのビールの種類や、そのビールが作られている地域を知って、ドイツ旅行で飲みたいビールの参考にしてみてください。

●アルト(Alt)

ラテン語で「上の」を意味するアルト・ビールの歴史は古く、ドイツ語の「古い」と言う意味ではありません。

昔ながらの上面発酵の製造方法で醸造されます。

主にデッュセルドルフやその近郊に飲まれており、他の地域では見かけることはほとんどありませんが、瓶入りのアルト・ビールはドイツ全土で購入可能です。

●ケルシュ(Kölsch)

ホップのアロマが強めの明るい黄金色をした上面発酵のビールで、ケルンおよび近郊で醸造されたもののみ「ケルシュ」と名乗ることが許されており、ケルン市民の誇りとなっています。

ジントニックなどのロングカクテルを注ぐような形状の小さく長細いグラスでサーブされ、主にケルンで良く飲まれています。

●ヴァイツェン[ヴァイス](Weizen/ Weiss)

50%以上の小麦麦芽を使った上面発酵で醸造されたビールで、主にバイエルン州で多く飲まれています。

ガラスがくもったようなミルキーカラーで、フルーティーかつ酵母のうまみをダイレクトに感じられるビール。

高さのあり飲み口が広がっているグラスに注がれることが多く、かつてはバイエルンでのみ飲まれていたそうですが、現在では北ドイツをはじめドイツ全土で飲むことができます。

●ボック(Bock)

多くの麦芽を使用して醸造される、アルコール度数が高めの6%ほどの下面発酵のビールです。

ドイツ北部のアインベック(Einbeck)が発祥で、ホップの苦味がほとんどな無く、甘みが強いのが特徴です。

ドッペルボック(2倍のボック)と呼ばれる、アルコール度数が7~12%ほどのボックもあり、アルコール度数が高いため日持ちが良く、各地に輸送・輸出されました。

アルコール度数が高いので、飲みすぎ注意なのと、寒い季節に飲むのがオススメです。

●ヘレス(Helles)

ドイツ語で「明るい(色)」を意味するヘレスは、下面発酵のビールです。

ホップであまり苦味をつけない製造方法のため、ピルスナーよりも飲みやすいという人が多いので、ビール初心者や苦みの少ないビールが好きな方にお勧めのビールです。

硬質で石灰を多く含んだミュンヘンの水が、ホップの苦みに負けてしまうため、ホップを多く使用しない製法に変化したと言われています。

現在では、ミュンヘンを代表するビールとなり、ミュンヘンっ子が良く飲むビールです。
代表例として、観光客に大人気の、国立ホーフブロイハウス醸造会社が運営する「ホーフブロイハウス」のオリジナルラガー(Hofbräu Original)があります。

●ドゥンケル[ドゥンクレス](Dunkelbier/Dunkles)

ドイツ語で「暗い」を意味する、もともとはミュンヘン発祥のダークビールで、下面発酵のよって醸造されます。

ミュンヒナー・ドゥンケル(Münchner Dunkel)は、ビスケットのような香りがあり、麦の甘味、ホップの苦味、軽い口当たりのバランスが取れているのが特徴で、バイエルン州の郷土料理とよく合います。

その昔は、ミュンヘンのビールと言えば、このドゥンケルだったのですが、乾燥設備の発達により、麦芽を火でいぶる必要がなくなったため、現在では「ヘルス・ビール」が主流となっています。

●ピルスナー(Pils)

チェコ共和国が発祥の、ピルスナーモルトと上質なアロマホップで醸造した下面発酵のビールで、淡い黄色から黄金色に輝いているのが特徴です。

のどごしが良く、軽めできりっとした味わいで、ドイツ人が最もよく飲むビールの種類として人気があります。

日本のビールに一番近いので、どのビールを飲もうか迷った場合には「とりあえずピルスナー」を注文してもよいかもしれません。

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●メルツェン(Märzenbier)

3月を意味するドイツ語が由来の下面発酵のアルコール度数が高めのビールで、色はゴールドから赤みがかったブラウン。

1516年のビール純粋令後、冷却保存の技術が発達していなかった中世の時代、衛生上の理由から4月23日から9月29日までは下面発酵のビールの醸造が禁止されたという背景があり、醸造可能な最後の月、つまり3月にアルコール度数が高く、長期保存が可能なビールを作るようになったという経緯があります。

9月になると、前シーズンのビールを売り切りたいという意向もあり、オクトーバーフェストが開催されるようになったと言われています。

現在、3月に仕込んだメルツェンを夏の間熟成させてからオクトーバーフェストで提供するスタイルに変化しており、メルツェンをオクトーバーフェストビールと呼ぶこともあります。

●ラオホビア(Rauchbier)

「燻製」+「ビール」=スモークビールを意味するラオホビアは、燻製したモルトで醸造される下面発酵のビールで、濃褐色なのが特徴です。

上面発酵のラオホ・ヴァイツェンもあります。

燻製により、スモーキーで力強いコクと甘みがあるビールで、独特なクセがあるビールが大好きな方にはぜひ飲んでいただきたいビールです。

フランケン地方の「バンベルグ」が有名で、いくつかの醸造所があり、昔ながらのレシピと製法で、バンベルグの特産品となっています。

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●ベルリーナー・ヴァイセ(Berliner Weisse)

「ベルリンの白ビール」を意味するベルリーナー・ヴァイセは、大麦と小麦の両法のモルトを合わせて醸造される上面発酵ビールです。

通常のビールよりもアルコール度数が低く、軽めで、フルーツシロップを加えて飲むことが多いです。なので、見た目がビールに見えないことが多いです。

伝統的に、ベルリンでしか醸造を許可されていなかったのですが、1993年のビール税法改正により、ドイツの醸造所は、ビールのミックスドリンクを提供できるようになりました。

フルーツエキス入りのドアドリンクは、ドイツ全土で飲まれており、金曜日の夜に電車に乗ると若い女性たちが瓶や缶のビアカクテルを飲みながらおしゃべりしている光景を良く見かけます。

ドイツビール豆知識であなたもドイツビール通に?!

ドイツビールの歴史から、ドイツ人のビールの楽しみ方まで、いかがでしかたでしょうか。

ドイツには、今回ご紹介したビールの種類のほかにもいくつかあり、住んでいる地域によって好まれて飲まれているブランド等には地域差があります。

「ドイツビールと言えばオクトーバーフェスト!」を連想するのもわかりますし、自分自身も実際にオクトーバーフェストに行ってみたことがあります。

最近では、日本各地でもオクトーバーフェストと称してビールのお祭りが開催されていますよね。

本場のオクトーバーフェストの期間中や、ドイツの各都市で(と言っても大抵バイエルン州かな?)お祭りの際に「フェストビア」という期間限定の生ビールを味わうことができるのも、お祭り時期の醍醐味です。

とは言え、オクトーバーフェストは年々コマーシャライズが激しく、価格も上がっています。

ミュンヘンだけでない他のバイエルン地域のビールをはじめ、バイエルン以外の州で醸造されている伝統的なご当地ビールを飲んでみて、自分の好きなビールを探してみるのもドイツビールの楽しみ方ですね。

ドイツに来たならば、ぜひ色々なビールを飲んでみてください。

ちなみに、はねうさ夫の叔父さんは、ある村のある醸造所のあるビールしか飲まない!という徹底ぶりで、そんな話を聞くと「やっぱりドイツ人って頑固なのね・・・」なんて思ったりもします。苦笑

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